揺れ。

揺れ。

  2016/06/16  
     
 

先月、家人と伊勢神宮に参拝した。

 

家人は、伊勢うどんとてこね寿司を食べた後も、コロッケを食べたり、串焼きを食べたりしていたが、さらに帰り際には、その日は曇りがちで多少肌寒くもあったのに、これを食べないと帰れないと、赤福餅と餡の入ったかき氷を美味しそうに食べていた。

 

家人の「せっかく来たのだからとことん満喫してやるぜ」の姿勢はいつものことで、普段は「我慢」の毎日なのだから、外に出たときくらい好きにさせろといったところだろうか。

 

 

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生まれ育った環境や文化、習慣などがまるで違う男女が生活をともにするには、愛情だけではとても埋まらない大きな溝を乗り越えなければならず、単なる他人との関係を維持するためだけの努力では到底及ばない。

 

私は、他人を超えた夫婦関係の構築は、「我慢」と「敬意」を崩れないように積み上げていくことだと思っている。

 

これは夫婦にかかわらず、長きに渡り人と付き合っていく上で大切な、人としての本質の部分でもあるのだけれど、「我慢」と「敬意」を日々、崩さないようにすることはとても難しくて、ほんの少しの心の揺れで簡単に崩れてしまう。

 

人の心っていうのは、ホントよく揺れるからね。

 

少しズレるかもしれないけれど、私は結婚以来、一度も家のゴミを捨てたことがない。よく、朝の出勤ついでにダンナがゴミ袋をゴミ置き場に持って行く、あれ。

いくら私がついでだからといっても家人は絶対にそうさせない。

うちのダンナにゴミを持たせてたまるかって。

 

そうやって家人は、うだつの上がらない私にいつも敬意を払ってくれている。妻が夫を認めずして世間が認めてくれるわけがないと―。

 

しかし、家人の努力も虚しく、私がこんなだから、恐ろしいことに、家人の私に対する「我慢」は相当なものであると私自身が自覚しており、いくら大切だといっても我慢にも限界があるので、このままだといつか私は粗大ゴミとなり捨てられる運命にあると踏んでいる。

 

プレート付近のひずみはかなり大きくなっており、30年以内に震度6以上の揺れに見舞われ、「我慢」が崩れる確率は60%と私は予測する(わかっていると思うけど、この場合の揺れは、心の揺れね)。

 

 

私は、家では亭主関白だけど腰は低い。

 

ま、そういうことだ。

 

  

 
  林 正寛  
     
     

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