「人生において何より難しいことは嘘をつかずに生きることだ」

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（ドストエフスキー）

嘘をつかずに生きることなどおよそ無理だとは思うが、それにしても、大人は嘘や誤魔化しが多すぎる。

それが国会や議会の場で平然と行われているのだから、開いた口が塞がらない。

嘘も方便ともいうし、人は成長するごとに本音と建前が明確になっていくものではあるが、それはむしろ生きるため（＝人同士が付き合っていくこと）の手段であり、方法論のひとつである。

嘘を一切なくし、すべて本音でトークをするとなると、それはそれは恐ろしいことになるだろう。

醜いのは保身が見え見えの嘘。

人の実力や人格の完成度に従って醸し出される言動や空気のことを「権威」、若しくは「品格」という。

権力を使って権威や品格を守ろうとしても失墜するだけであり、ましてや嘘、誤魔化しは一切通用しない。

培ってきた権威や品格は誰からも奪われないが、権力は実にあっけなく奪われる。

政治家に権威や品格を求めること自体、無理な話なのかもしれないが…。

花粉症もこの頃になるとひどいもので、喉は赤く腫れて痛むし、鼻血は出るし、耳の奥がズキンズキン痛み、目は血走る。

酒を飲むとこの症状は余計に悪化する。

先日、鼻血を出しながら水割りを飲んでいると、今年成人式を迎えたばかりだというお店のニューフェイスの女性が、

「ミサイルがいつ飛んでくるかわからへんような時代なんやから、花粉が飛ぶくらいカワイイもんとちゃいますかー、キャハハハハー」と―。

なるほど、ミサイルに比べらると花粉はどこまでもカワイイ。

しかし、その前に、こんな若い女性の口から「ミサイル」というオソロシイ単語が出たことに強い違和感を覚え、同時に、こんな屈託のない、未来のある若い人たちのために、平和な世の中がいつまでも続けばいいのにと、心からそう思った。

君と好きな人が

百年続きますように。