昭和。

昭和。

  2020/5/21  
     
 

 

テレビでは、連日、過去のドラマが再放送されている。

 

スポーツも過去の名場面。バラエティも音楽も過去だ。

 

志村けんさん、岡江久美子さんを昭和、平成時代の秘蔵VTRで偲び、安室奈美恵さんは、動画配信サービスで再び登場した。

 

 

令和の時代に向かって進みだした時計の針が止まり、平成や昭和を振り返る日々を私たちは送っている。

 

 

 

先日、ようやく、アベノマスクが届いた。

 

布製マスクは、私が小学生だった頃の定番で、もっぱら給食当番のときに活躍した。

 

洗って使うたびに柔らかくなる布製マスクの着け心地は良く、洗濯したてのは石鹸の香りがした。

 

 

 

予算の組み方、段取りの悪さ、異物混入など突っ込みどころ満載のアベノマスク。

なにより、安倍さんが着けているビジュアルがよろしくない。

明らかにサイズが小さくて、しかも時に曲がっていたりもする。

 

 

アベノマスクは、物も情報も使い捨て全盛の今に、「洗って何度でも使う」という「昭和」を届けたことにも批判が集まった。

 

「洗って、直して、何度も使う」は、昭和の遺産であるが、なんでもすぐに手に入る時代には、たしかに色褪せて聞こえるだろう。

 

しかし、今回、なんでも手に入る時代に手に入らない経験をした。

 

そこに届いた「昭和」は、本来なら、物の大切さ、有難さを知る良い機会にもなったと思うのだが・・・。

 

 

 

 

 

緊急事態宣言が徐々に解除され、街に人が戻ってきた。

 

 

時計の針がゆっくりと動き出した。

   

 

 

 

   

 

 

 

  林 正寛