乾杯!

乾杯!

  2022/4/1  
     
 

 

 

街で新社会人の姿を見かける。

 

咲き誇る桜の木を背景にしてスマホに顔を寄せ合い、わちゃわちゃと騒ぐリクルートスーツ姿が初々しい。

 

 

 

― オレはこれからやっていけるのだろうか。

 

劣等生だった私は、社会人としてやっていく自信なんてまったくなかった。

 

だから、あのころ抱いた不安な思いは今でも忘れていない。

 

 

 

そして今。

 

刹那に散りゆく運命は桜に限ったことではないと知り、迎えた新卒37年目の春。

 

還暦を前に別の不安が頭をよぎる。

 

 

 ― オレはいつまでやっていけるのだろうか。

 

 

 

 

 

 

新社会人に乾杯!

 

 

 

 

 

 君たちに残された時間は、長いようで案外短い。

   

 

 

 

    

 

 

 

  林 正寛