夜空ノムコウⅡ。
2022/12/27 | ||
今年の5月に20年以上お付き合いのあった弁護士の方が事故で亡くなられた。
弁護士会でも人気モノの彼は、そういったネガティブな事情から最も遠い場所にいるような人だったので、お通夜での急な別れの場面は、私の中では今もフィクションだ。
冬になると彼がいつも着ていた見覚えのあるダウンコートの人を裁判所の近くで見かけると、
― もしかして。
― まさか。
― なわけないよな。
と、また、寂しくなる。
その彼のお通夜で、普段から親しくしている古物商業者の方と一緒になった。
仕事をするようになって10年。
古物商の仕事は、お値打ちの骨董品や宝飾品ばかりではない。
古切手や書損のハガキ、汚れた古銭などを取り扱うことも多く、なかなか骨が折れる。
中古車ディーラー出身の彼は、その道に関してはスペシャリストなのだが、そうした細々した面倒な古物も嫌な顔一つせず対応してくれる、私にとっては神様のような存在。
ところが、その彼がこの10月、本当に神様になってしまった。
医者に止められていた酒をなぜだか飲みだして、バタンと倒れそのまま亡くなった・・・。
おかげで、私の会社は、行き場を失った古物で溢れていたが、ようやく今月、処分した。
そこに古物がある限り、いつかまた会えそうな気もしていたが、現実を実感した。
― バカな神様もいたもんだ。
と、また、寂しくなる。
戦争、コロナ、政治不信、低空飛行の経済。
視界不良の一年の中、先月の皆既月食と惑星食は、良かった。
とても神秘的でロマンチックだったが、なによりも、慌ただしく毎日が過ぎていく中、さまざまな事情を抱えているだろう多くの人たちが足を止め、夜空を仰ぎ見る姿が、表情がとても良かった。
442年前、皆既月食と惑星食をとおして、サムライたちは夜空ノムコウになにを見たのだろうか。
そして、次回、322年後という人生4回分の年月を経たうえで再び出現する皆既月食と惑星食に、322年後の人たちは、夜空ノムコウに何を見るのだろうか。
想像すらできない322年後。
どうか、どうか、この青い地球が青いまま残っていますように。
人類が平和で暮らしていますように。
― いつか私も人生を閉じ、誰かの思い出の中に生きるのか。
と、また、寂しくなりそうだったので、あのときの、ダチョウ俱楽部のリーダーのコメントを思い浮かべた。
「どんな悲しいことがあっても、みんなでクルリンパッ!ヤーッ!」
まだ人生1回目の私は、今月、ようやく59歳になりました(白目)
みなさん、おつかれナマです。
良い年末年始をお迎えください。
ブラボー!
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林 正寛 | ||