自戒を込めて。
2024/5/9 | ||
「ハヤシさん、〇〇〇〇万円でうちの会社にきてくれませんか」
今から20年くらい前のことであるが、当時仕事でつき合いのあった外資系の会社のヒトから誘われたことがある。
私の経験と人脈をお金に換算したらしい。いかにも外資系らしい考え方がおもしろかったが、即座にお断りした。
「〇〇〇〇万円では失礼でしたでしょうか。それなら増額を会社にかけあって」
「いやいや、そうではなく、東京に単身赴任するのが嫌なんですウ」
「それだけでこの好条件を蹴るのですか」
相手は、肩をすくめて信じられないと首を振っていたが(←日本人なのに完全に染まってるヒト)、マジで単身赴任は避けたかったし、それに、経験と人脈などは積み上がっていくように見えて、案外、時代背景に応じた「旬」があるもので、すぐに古びてしまう。
だから、最初こそ重宝がられてもすぐにお払い箱になるだろうと踏んだ。
外資系だからね、切るときもスーパードライだろう。
第一、私は人当たりがよろしくなかった。 その後、経営者となり、今でこその感はあるが、若いころは人一倍、ヨロシクナカッタ。
仕事をするうえでスキルや経験、人脈は大切だが、そんなものは最低限備わっていればよく、やっているうちに自然と備わってくるものだ。
学歴や偏差値は、ときに仕事における社会的立場を決定づける重要な要素になるし、そのヒトが努力して積み上げてきた財産ではあるけれど、それだけで仕事が回るほど世の中は甘くない。
仕事をしていくうえでなによりも大切なのは、人柄だろう。誰に対しても愛嬌があって上機嫌でいること。これに尽きる。
ニコニコと上機嫌なヒトは、ツキにもヒトにも恵まれるし仕事もうまくいく。
笑顔のあるヒトと無いヒトでは当然運命も違ってくるというものだ。
今さら何をと思われるかもしれないが、毎日のようにいろんなことがあるし、いろんなヒトがいる。
今さらながら、強くそう思う。
いつも上機嫌でいること。
自戒を込めて。
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林 正寛 | ||