納得できない(№781)

納得できない(№781)

  2026/2/4  
     
 

 

 

 

一般道を194キロで走行して死亡事故を起こした被告の刑事裁判で、福岡高裁は危険運転致死罪にあたらないと一審判決を破棄した。

 

判決では、日常用語であれば「危険運転」といえるが、法律上はそうではないと。

 

ちょっと何を言ってるのかよくわからないけど、法律概念では、「対処困難性」と「制御困難性」は明確に区別される。

 

いかに「制御困難」であったかを立証するため検察側もサーキット場で走行実験を行うなどの工夫をこらしたが、福岡高裁は、サーキット場と現場では道路状況も異なり、そもそも車種だって異なるからと採用されず、「疑わしきは被告人の利益」とばかりに量刑を大幅に引き下げた。

 

 

裁判官は、憲法と法律以外の何ものにも影響されることなく、自らの良心と自由な心証に基づいて判決を下すのだから、同じような事件であっても、量刑にばらつきが出るのはやむを得ない。

 

また、無期懲役といったところで、10年以上服役すれば、仮釈放の対象になり、「改悛の状」を条件に社会復帰も可能である。

 

「改悛の状」の運用については批判がある一方、解釈の幅を狭めて終身刑を導入することについても議論があり、全国の刑務所はどこも定員オーバーの満室状態であるというつまらぬ事実も終身刑導入の壁となっている。

 

一方、量刑相場なるものがあるのも事実であり、それもまた、「法の下の平等」のあらわれとして、尊重されなければならない。

 

そもそも法律は、誰に対しても平等に違法か合法かの答えが出るようシンプルに構成されているので、細かい配慮には不向きで融通が利かない。

 

それは法の宿命でもある。

 

 

ただ、しかし、そうはいっても、「市民感覚」では、一般道を194キロで車を走らせる行為がいかに無謀で危険な運転であるかは、少し想像すれば誰にだってわかるし、ドライバーは制御できるわけがない。

 

それなのに―。

 

 

 

納得できない。

 

 

 

 

           

 

 

 

  林 正寛  
     
     

株式会社アスキット・プラス

 

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