花に嵐のたとえもあるぞ。

花に嵐のたとえもあるぞ。

  2015/04/06  
     
 

「こんなにいっぱいハートマークをつけて、楽しみにしてますねってメールをくれたのに…」

 

F君、食事に誘った女性に約束をすっぽかされて、今にも泣きそうな顔でやってきた。

 

「うちの会社でそんな不幸な顔しないでくれる。なんだかこっちの運気まで下がってしまいそうだから」

 

「彼女、どうしてすっぽかしたんでしょうか」

 

「理由を知りたけりゃ、本人に連絡すればいいじゃないの」

 

「待ち合わせの日に何度も連絡したんですが出てくれなくて、それっきりです」

 

「だったら諦めるしかないじゃない」

 

「そんなぁ…」

 

「君だっていい年なんだから、わかるでしょ。女性がメールにつけて送ってくるハートマークにはなんの意味もないことくらい」

 

女性がメールやラインにつけて送ってくるハートマーク。これには約9割の女性が、好きとかの愛情表現ではなく、「ただ可愛いから」とか「そんな気分だったから」と、深い意味はないと答えている。

 

「でも、これだけハートマークがあれば、フツー勘違いしますよ」

 

そう、男はハートマーク一つで落ちる単純な生き物なのだ。

F君の気持ちもわからんでもない。年齢は関係ない。いや、むしろ年を取れば取るほど、落ちやすくなるかもしれない。

 

女性の遊び心や軽いウソは、女性にとってはアクセサリーと同じようなものなのだが、男性はそれを真に受け、騙される。もちろん、女性の方には騙す意図など無いのだが…。

 

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F君の彼女は、約束をしておいてそれを理由もなくすっぽかしたのだから彼女も良くないとは思うが、「そんなこともある」くらいの余裕がないと、女性に限らず、社会の中で人とは付き合っていけない。

 

新年度が始まり、街には新入社員と思しき人たちをよく見かけるが、上司や先輩、取引先など学生時代とはまったく異なる人との付き合いに戸惑うことも多いだろう。

 

人との付き合いの中で、世の中のシビアさを知り、甘くはないのだと思い知らされる。いつも美味しい酒が飲めるほど社会は楽ではない。

 

人間はみな、持って生まれた「良からぬ業」を背負っており、清廉潔白な天使はこの世にはいやしない。人は裏切るものだし、恋愛に別れはつきものだし、生きることと死ぬことは背中合わせである。

 

 

「花に嵐のたとえもあるぞ さよならだけが人生だ」

 

桜は散り際がまた、美しい。

 

  

 
  林 正寛  
     
     

株式会社アスキット・プラス

 

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