人生はチョロくない。
2017/5/11 | ||
破産管財案件に共通するいくつかの点。 毎回、「あぁまたか」と驚かされる。
①家の中が散かっている。
衣類、靴、雑貨類がきちんと収納されずにそこら中にあふれ、キッチンは、食器や調味料などで埋まり、洗面所は空きスペースがないほど物が散乱している。 もちろん、部屋の掃除もできていないわけで、風呂やトイレ、窓ガラス、ベランダも汚れている。
②部屋のカーテンが全開されていない。
部屋のカーテンが半分しか開いていないとか、中途半端にちょびっとしか開いていないとか、とにかく、カーテンの開け方が適当。なかには部屋が整理されていないため、荷物が邪魔してカーテンまで手が届かないというケースもある。
③クロスに汚れや傷、穴、障子に破れがある。
毀損が補修されずに放置されたままになっている。小さな汚れや傷を放置したまま暮らしていると、それが広がっていくことに違和感がなくなってしまう。こちらから指摘しても、「それがどうしたの」くらいで反応が鈍い。
また、人に共通する点として
④いろんなものを詰め込んだパンパンに太った財布(ブランド物が多い)を使っている。
太った財布は良くないということは、雑誌などにもよく紹介されているが、おそらく、あの太った財布はその人自身であり、お金にまつわること、そうでないことも含め、いろんなものを頭に詰め込み、整理ができていないのだろう。
⑤夫婦仲が悪いか、すでに離婚している。
離婚が先か、金銭的破綻が先かはわからないが、これまで、夫婦円満だったケースはゼロかもしれない。
①~⑤はすべてリンクすることで、家の中が乱雑なのに財布はスッキリなんてことはないし、夫婦仲がガタガタしているからカーテンを開ける余裕もなく、クロスの傷を修理する気にもなれないのだろう。
部屋の掃除をし、整理整頓を行い、朝が来ればカーテンを開け放って日を浴び、窓を開けて風を入れる。家も夫婦もほころびがあればすぐに修復させる。
こうした当たり前のことを日々繰り返すことが、きちんとした暮らしに結びついていくことになるのだが、これが案外難しい。
仕事がうまくいかないこともあるし、人間関係に疲れもする。つい心が荒んでしまうこともある。
それでもまじめにコツコツと暮らすしかない。
やれやれと言いながらも、折り合いをつけていくしかない。
だって、わずかなほころびを放っておけば、人生は取り返しのつかないことになるから。
人生はチョロくない。
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林 正寛 | ||