Like a Virgin

Like a Virgin

  2018/8/28  
     
 

 

「マテリアル・ガールも還暦」

 

こんなタイトルで、ポップシンガーのマドンナが今月、60歳の誕生日を迎えたというニュースを目にした。

 

いくらマドンナとはいえ、年を取る。時間はすべての人に平等に流れるのだ。

 

 

“あのころ”人気だったシンディ・ローパーは65歳だし、ブルース・スプリングスティーンは68歳。

 

シーラ・Eは、昨年、還暦を迎えている。

 

マライア・キャリーの48歳が、なんだか若く思えてしまうくらい、“あのころ”のスターたちも時間の流れには勝てない。

 

 

金曜日の深夜に洋楽のプロモーションビデオを延々と放送していた「SONY MUSIC TV」。

 

バブル経済の終焉と歩調を合わせるように94年に終了してしまったが、番組が始まった翌年にリリースされたマドンナの「Like a Virgin」のプロモーションビデオは、毎週のように流され、当時、洋楽に対し「Like a Virgin」だった日本人の心を掴み、「Like a Virgin」のアルバムは一家に一枚といわれるほど売れた。

 

 

一方、 “あのころ”、「SONY MUSIC TV」の常連だったマイケル・ジャクソン、プリンス、デヴィッド・ボウイ、ジョージ・マイケル、ホイットニー・ヒューストンなどは、すでにこの世にいない。

 

 

その死を伝えるニュースをいくら見直したところで、いまだに信じられないし、私は、今夜も、ニューヨークかロンドンのどこかのスタジオで、彼らが歌っているような気がしてならない。

 

 

 

 

マテリアル・ガールが還暦を迎えたニュースに感傷的な気持ちになり、やけに“あのころ”が懐かしくて思えるのも年のせいなのだろう。

 

いつまでも「Like a Virgin」でいたいのに、時間の流れがそうはさせてくれない。

 

 

あれほどの暑さに苦しめられたこの夏でさえ、終わりが見えてくると、なんだか胸がざわつく。

 

 

 

夢ならばどれほどよかったでしょう

 

いまだにあなたのことを夢にみる

 

忘れた物を取りに帰るように

 

古びた思い出の埃を払う

 

 

 

 

 

 

夏の終わり。

 

  

 

 

 

  林 正寛  
     
     

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