中学高校をともに岡山で過ごした同級生が再婚した。

56歳。

本人も奥様もそれぞれに家庭があり、子どももいた。けれど、ここに至った経過を私は知らない。聞いたところでだろう。

大きな障壁との戦いであったことは、想像に難くない。

私なんかとは比べものにならないまじめな彼が、何度も何度も自問自答を繰り返しながら、ひとりで出した答えだ。

普段、横にいて、相談に乗ってやれればよかったが、仮にそうであったとしても、結論は同じであったように思う。

―　だいたい、私なんかがモラルを語れる立場でもないしな・・・。

今月、岡山で、小さな式が行われた。

奥様は、彼よりもずいぶんと年が下で、彼にはもったいないくらい可愛い。

―　やっぱり、モラルハザードじゃないか、コノヤロー！

だからね。牧師さんには、せめてこのくらいの茶目っ気がほしかった。

「新婦よ、ここにいる新郎は、健やかなるときはもう長くはないですが、それでも愛を誓いますか」なんて―。

それでも、新婦は、力強く答えるだろう。

「誓います」と。

それがどうした。

アーメン！