怪しいやつ。

怪しいやつ。

  2020/6/1  
     
 

 

先日、仕事で熊本市内にある会社に電話を入れることがあった。

 

担当者の口ぶりは、いかにも純粋で正義感の強い肥後もっこす風であるが、明らかに、突然、電話をかけてきた「大阪の不動産屋」を警戒している。

 

ひとつ断っておくと、私の会社はあくまでもコンサルティングの会社であって、その中に、不動産や古物商、企業再生といった部門がある。だから、私の会社は、決して不動産会社ではない。

 

しかし、そんなことを一見の相手に四の五の伝えてもかえって怪しまれるだけであり、第一、「大阪のコンサル」も「大阪の不動産屋」も似たり寄ったりだろう。

 

今回は、不動産の仕事だったので、不動産屋さんとして電話をした。

 

 

しかし、どうしたって「大阪の不動産屋」は怪しまれる。

 

しかも、話の内容は、相手にとって割と“おいしい”ので、余計に怪しまれる。

 

私は、はじめて電話で話をする相手に信頼してもらえる方法はないものかと、思考しながら話をしていたが、一方で、相手はというと、いかにも誠実そうで、なんというか、“ああ、この人なら大丈夫かも”という雰囲気が伝わってくる(←こういう場合、方言は有利だと思う)

 

 

そして、私はしまいには、肥後もっこすの誠実オーラに圧され、あろうことか、怪しいやつしか口にしない(怪しいやつが必ず口にする)言葉を口にしてしまった。

 

 

 

 

 

 

「私は、決して怪しいものではありません」

 

 

 

 

 

 

 

ウイルスとの戦いの前に、暑さにやられそうな予感がする6月の風。

   

 

 

 

   

 

 

 

  林 正寛