YOASOBI。

YOASOBI。

  2021/2/1  
     
 

 

 

「YOASOBI」が流行っている。

 

 

知らないオジサンのために、念のため言うと、「YOASOBI」は、2人組の音楽ユニットで、2019年11月に配信した最初の楽曲「夜に駆ける」は、歴代最速で3億回再生を達成した。

 

小説がドラマや映画の原作になることは、よくある話であるが、「夜に駆ける」の歌詞は、ソニー・ミュージックエンタテイメントが立ち上げた小説投稿サイトから選ばれた小説が原作となっている。

 

そして、ソニー・ミュージックエンタテイメントが、楽曲制作者として、音声合成ソフト「ボーカロイド」の曲を動画サイトで展開するAyaseさんを選び、Ayaseさんが、ボーカルとして、動画サイトに曲を投稿していたシンガー・ソングライターのikuraさんを選んだ。

 

 

ソニー・ミュージックエンタテイメントの担当者によると、曲作りは、子どものころから「TikTok」に自らのダンスの動画を投稿するなどの表現の場がある10代に照準を合わせ、思わず体が動いてしまうような、何度も聴きやすい楽曲を心がけたという。

 

アーティストも歌詞も曲作りも配信サービスも、プラットフォームは「サイト」にあり、ターゲットも「サイト」にある。

 

― オジサンには、ちょっと、ついていけない。

 

 

 

最近は、本物なのかCGなのか区別がつかなかったり、仮想空間で音楽、ゲームやアニメを楽しむことが人気だったりするが、昭和世代には、とても馴染めない。

 

「YOASOBI」に関しては、曲作りの背景はともかく、Ayaseさんもikuraさんも、生身の人間として、きちんとメディアに登場し、受け答えし、昨年末の紅白歌合戦に選ばれたことなどを、とてもうれしそうに話をしてくれたことが救いだった。

 

 

ブラウン管テレビで育った世代は、「実感」「実物」がないと心細い。

 

石川さゆりには、いつまでも、拳を握りしめて歌い、歌の最後には、はるか遠くをみつめて欲しいのだ(ちょっと違うか・・・)

 

 

そして、一日も早く、酒場をプラットフォームに「夜遊び」をして、「夜に駆ける」ことができるようにと、コロナ収束を祈るばかりである。

 

 

 

 

 

 

   

 

 

 

  林 正寛