きみたちがいて。

きみたちがいて。

  2021/4/28  
     
 

 

 

海外では、大谷翔平選手の礼儀正しさが、たびたび話題になっているが、先日は、彼のファールチップが相手の捕手に当たってしまった際、大谷選手が「すみません」と声を掛けたことが絶賛されていた。

 

また、近頃、マスターズを制した松山英樹選手のキャディーさんが、コースに向かって深々と頭を下げるシーンを驚きと共に大きく取り上げていた。

 

震災の際には、給水車に向かってきちんと列を作って並ぶ日本人。ようやく見つかった親族の遺骨を前にして、まだ見つかっていないたくさんの人がいるのに、自分だけ申し訳ないと頭を下げる日本人。

 

 

誰に教わったわけではないが、一人では生きていけない、一人で生きているわけではないことを知らず知らずのうちに認識し、相手を思いやり、感謝し、譲り合いながら秩序正しく生きてきた。それが日本人である。

 

コロナウイルス対策にしても、日本が重んじるのは、あくまでも個々の自主性である。

海外のような強力な法の網にかけなくても、日本人は自らを律することでスティホームを続け、見事に感染を抑えたと、第一波の時は、これまた海外から尊敬のまなざしを向けられた。

 

 

 

それが、今ではどうだ。

 

緊急事態宣言が発出されても、総理大臣がお願いしても、知事が注意しても、知らん顔で、人出は減らない。

 

秩序もへったくれもあったもんじゃない。

 

この1年、政府のあまりにもお粗末すぎる対応に、さすがの日本人も音を上げてしまっているのが現状だろう。もはや、自主性に任せた対策の限界かもしれない。

 

 

 

それでもだ。

 

医療スタッフは、日々懸命に私たちの暮らしを支えてくれているのだ。

 

学校や大学に通えなくても、子どもたちは慣れないリモートに悪戦苦闘しながら、我慢しているのだ。

 

テイクアウトの弁当を手作りしながら、飲食店のスタッフは、店の再開を、客との再会を心待ちにしているのだ。

 

私たちは、一人では生きていけない、一人で生きているわけではないから、今一度、日本人のDNAを海外に見せつけてやりたいが、もう無理なのだろうか。

 

 

 

 

本日、大阪府の感染者は、過去最多の1,260人

 

 

 

 

 

「きみたちがいて僕がいる」

          チャーリー浜

 

 

 

 

 

 

   

 

 

 

  林 正寛