いざという時のために。

いざという時のために。

  2021/11/11  
     
 

 

 

「あなた、いざという時のために買っておいてください」

 

そう家人に言われ5年前に購入した「5年保存水」が、幸いにも、いざという時がないまま5年の期限を迎えたので、次のいざという時のために、あらたに「5年保存水」を購入した。

 

家人は、四角い部屋を丸く掃除をする典型的なB型人間で、自称「60%の力で生きてきた人」であるが、いざという時のための備えは万全で、防災に対する意識は高いほうだと思う。

 

 

 

時に、非常時のために備蓄してある即席のパックご飯の賞味期限が迫ってくると、消費するために、パックご飯がお茶碗に盛られて食卓に登場することがある。

 

「非常用パックご飯の交換やな」

 

「あら、あなたよくわかりましたね」

 

温めたパックご飯をほぐさずに、パックの形のまま布団を折りたたむようにお茶碗に盛り付けてあるのだから、フツー誰でもわかるやろと思うのだが、この人が私のヘンテコリンな人生についてこられた秘訣はこのあたりにあるのだと思う。

 

 

 

「日本沈没」というドラマが放映されている。

 

原作は、私が小学校のころに刊行された小松左京によるSF小説「日本沈没」。

 

当時は、「ノストラダムスの大予言」もブームになっていて、日本沈没だなんて作り話だとは強がっていても、子どもながらに、いざという時のためにどうすればいいのか、友人と真剣に話をしていた記憶がある。

 

今また、「日本沈没」だなんて、縁起でもないが、最近、なんだか地震も多いし、なんとなく気にはなる。

 

ただ、日本が沈没するとなると、いざという時のための即席パックご飯はなんの役にも立たない。

なんとか生き延びるには、海外に移住するしかなさそうだが、いざという時のために、英会話でも習った方が良さそうだ。

 

 

 

 

まったく家事ができない私は、最近、食器を洗う練習から始めた。

 

老後、家人に捨てられる確率は、日本沈没よりも高いかもしれない。

 

 

 

 

 

いざという時のために。

   

 

   

 

 

   

 

 

 

  林 正寛