勝ち組。

勝ち組。

  2021/12/27  
     
 

 

 

「自分はくそみたいな人生。不幸は周りの人のせい」

 

 

今年8月に小田急線の車内で起きた無差別殺傷事件の犯人の供述である。

 

この手の無差別事件の多くは、実際は無差別ではなく、女性や子どもや自分よりも弱いとみる人間を選んで襲っていることが多い。

 

実際、この犯人は、「勝ち組に見えた」20代の女子大生を執拗に刺しているが、「男にチヤホヤされていそうな女性を殺してやりたい」とも供述している。

 

上手くいかない自分の人生を他人の人生と比べて勝手に憤り、その怒りの矛先を女性に向ける卑劣極まりない犯行である。

 

 

 

そもそも人生の「勝ち」「負け」とはなんだ。

 

失恋、失業、失敗の数なら私の人生は「負け」なのだろうが、そんなものを人や世間と比べても仕方がない。

 

私は、自分のことがなにより大切なので、調子に乗って飲みすぎた翌朝、領収書の山を前にしても自分を責めたりしない。

 

あんなことやこんなことやあったのに、今、こうして生きている自分が好きだし、今朝だって、寒さと眠気を克服して布団からはい出し、こうやって出勤してきた自分を偉いなって自分を褒めている。

 

実にばかばかしいと思われるかもしれないが、この「自分との戦い」は結構大変で、毎日、いろんな場面で開始され、勝ったり負けたりを繰り返している。

 

ただ、私は、自分の弱さを誰より知っているからジャッジは甘い。毎朝、布団から出ただけで、自分に「勝ち」を与えているから、「勝ち」は多くなる。

 

だから、私はおそらく「勝ち組」だと思う(やっぱりばかばかしいナ)

 

 

小田急線の犯人に何があったのかは知らないが、自分の人生をくそみたいだとジャッジした根拠はなんだったのだろうか。

 

 

 

 

 

なにより自分を大切にし、自分を信じ、自分を見捨てないことだ。

 

そして、自分に「負けない」ことだ。

 

人は人。まずは自分との戦いに勝たないと毎日が始まらないのだから。

 

そして、「人生」がどうだったかなんてのは、死んでから考えればイイ。

 

 

 

 

死んだら死ぬほど時間があるから。

 

 

 

 

 

 

 

 

今年も1年、ありがとうございました。

 

また、みなさま、このコロナ禍、お疲れさまでした。

 

年末年始、どうかご無事でお過ごしください。

 

 

 

 

   

 

   

 

 

 

  林 正寛