シャチョー!(№778)

シャチョー!(№778)

  2025/12/22  
     
 

 

 

 

「林先生」

 

先日、法律事務所で依頼者の方と打ち合わせをしていると、こう呼ばれた。

 

私は弁護士の方と一緒に行動することが多いし、横にいて、四の五のともっともらしいことも口にする。

 

そのため、依頼者の方や関係者の方から勘違いをされて、「先生」と呼ばれることがある。

 

私のこの気品に満ち溢れた立ち居振る舞いが影響しているともいえるが、私の立場は、「先生」のジャンルには入らない。

 

「私は先生ではありませんよ」

 

すぐに訂正はするし、横にいる弁護士の「先生」から、「この方は不動産会社の社長さんですよ」とフォローしていただくこともある。

 

しかし、「先生」と呼ばれて悪い気はしない反面、実は、もう一つの意味合いを持つ「センセイ」だったりしてと勘繰ったりもする。

 

私は「社長」と呼ばれるようになって20年になるが、そう呼ばれるといまだに、新宿歌舞伎町界隈を飲み歩いていたバブル時代のころ、呼び込みの人に呼ばれていたあの「シャチョー!」が頭に浮かんでドキリとする。

 

 

 

私が一緒にお仕事をさせていただいている弁護士の「先生」は、いまではほとんどが私よりも年下で、また、弁護士になりたてのころから10年、15年とキャリアを積む過程を一緒に過ごしてきた方もいる。

 

みなさん、年長者の私を立て、キャリアを積んでも謙虚な「先生」が大半ではあるけれど、なかには、ずいぶん前に時計が止まってしまったかのような思い違いをしている「センセイ」もいる。

 

社会に出ると同時にバッジを着け、もみ手をされていればさもあらん。

 

また、弁護士という職業柄、独善に陥ることもありがちだ。

 

 

 

高市早苗さんが所信表明演説で引用した十七条憲法について書かれた日経新聞のコラムが興味深かった。

 

独善を戒める大意としての十七条憲法の基底にあるのは、人は誰もが自分は正しいと考えるが、それは間違いだという人間と社会への洞察。正しさは何かという深い問題が提示されているのだと。

 

議員も「先生」と呼ばれる立場の一人だ。

 

 

 

尊敬の「先生」か、それともからかい半分の「センセイ」か。

 

敬意の「社長」か、それとも歌舞伎町界隈の「シャチョー」か。

 

自分がどう見られているのか、俯瞰的に見極める洞察力があれば、自ずとわかるはず。

 

そして、正しさは何かという答えも。

 

 

 

  

              

 

 

 

  林 正寛  
     
     

株式会社アスキット・プラス

 

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