輝く日本の星となれ。

輝く日本の星となれ。

  2016/03/01  
     
 

働いて働いて働き抜いて 休みたいとか遊びたいとか

そんなこといっぺんでも思ってみろ そんときゃ死ね

それが人間ぞ それが男ぞ

 

70年代にヒットした武田鉄矢(海援隊)の「母に捧げるバラード」の一節であるが、今、社員に向かってこんなことを言えば、即パワハラでブラック認定だろう。

 

今、社会全体が長時間労働に対して厳しい目が向けられており、政府でも一億総活躍社会の実現に向けた国民会議で、家事と仕事の両立を妨げる長時間労働の抑制策を「働き方改革」の検討課題の一つとして議論している。

 

先日、銀行に勤務する友人が「このところ会社が残業をするなとうるさくて困る」と嘆いていた。会社がめざす月間の残業時間の目処は20時間までだそうで、とすると1日あたりの残業時間は1時間ほどになる。

 

企業側としては、長時間労働の抑制に国を挙げて取り組んでいる横で残業や休日出勤が増えるのは困るし、ましてや「ブラック」の噂が広まればもっと大変なことになる。本来、長時間労働をしたくらいでブラックとはならないが、そうはさせないムードが社会にはある。

 

例えば、社員がSNSで休日出勤をしていることをわざわざ投稿したり、このところ残業が多くて疲れるなどと嘆いてみたりする。するとその投稿に対して、「がんばって」とか「負けないで」といった(まるで運動会に出る小学生を応援するかのような)コメントが掲載される。

 

こんな何気ないごく断片に過ぎない情報が大量に拡散されることで、残業や休日出勤が「特別なこと」に仕立て上げられ、特別なことをする人を憐み、させている会社は叩かれ、そして仕舞いには、社会全体に残業を命じにくい空気(同調圧力)が広まってしまう。

 

校則を乱すアホな生徒に対し教師が指一本触れられない、仕事のできないバカな部下を上司が大声で叱ることができないのも、情報をきちんと小分けして吟味しないまま、猫も杓子も「あれもダメ、これもダメ」と蓋をしてしまった挙句にできあがった風潮が招いた現象である。

 

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少し話が横にそれたが、軍事力を持たず、資源の乏しい日本が成長できたのは働く力があったからである。

日本古来の匠の技も最先端の技術もそうであるが、それらが海外へ流出し、失われようとしているときに国がやろうとしていることは、祝日を増やしレジャーの機会を与えて消費を促し、労働時間を減らして育児や介護をしやすくし、正社員と非正規社員の賃金格差を是正し、企業の生産性も維持すると―。

これらは潤沢な労働力があればこそであるが、待機児童の問題は具体策が見つからず、少子化高齢化は歯止めがかからないまま、日本の人口はすでに減少に転じてしまっている。

これではアジアの猛者、世界の強者と互角に戦っていけない。

 

日本を代表する100年企業のシャープは今、日本を離れ、海を渡ろうとしている。

 

 

おまえも故郷を捨てて花の都へ出てゆくかぎりは

だれにも負けたらつまらん

輝く日本の星となって帰ってこい

 

 
  林 正寛  
     
     

株式会社アスキット・プラス

 

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