永遠なんて。
2016/08/10 | ||
37億年以内に50%の確率で宇宙は消滅する可能性があるらしい。
宇宙は137億年前のビッグバンにより誕生し、無限の誇張を続けていくという理論(説?)の一方で、物理学の法則に従えば、永久インフレーションを続ける宇宙は説明できず、時間は消滅すると日米の研究者グループが発表している。
この手の類いの発表はいくつかあり、宇宙や生命の根源を説明しているが、「ああ、なるほど」と理解できるようなものは何ひとつなく、まったく意味不明で、頭の良くない私は、
― 私たちは一体どこから来てどこへ行くの?
といつも悩ましい。
ただ、少なくとも、地球や月、太陽にも寿命はあるだろうし、宇宙にしても、永遠とか無限ということはまず無いと考える方が、理屈はわからなくとも何となく心が落ち着く。
この年齢になると、永遠という言葉自体に抵抗を感じてしまい、どうにも口にしにくい。今どきの女子高校生だって永遠なんて言葉は使わないんじゃないのかナ。
宇宙が消滅すれば、時間の概念も消えてなくなるわけで、私たちが存在していたことも、モネもピカソもバッハもシェイクスピアも秀樹も五郎もAKB48も、なにもかもが消え、すべてがなかったことになる。
なんだかオソロシイ気もするが、まぁ37億年先の確率50%の話だから…。
テレビでは連日、日の丸を背負い、歯を喰いしばって戦う若者の姿が映しだされている。
汗と泥と涙にまみれ、歯を喰いしばり白球を追いかける高校球児の姿もある。
27歳で海を渡った日本人大リーガーが歯を喰いしばり偉業を達成した。
アラフォーのアイドルがジャニーズ初の離婚会見を開き、“自分が未熟で身勝手で幼稚だった。自分のペースで生きて妻に甘えていた”と―。
― おいおい、何もそこまで言わなくても…。
「あら、あなたと同じじゃないですか」(家人)
― ほら、言わんこっちゃない。
私は何も言えず歯を喰いしばった。
永遠なんて…。
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林 正寛 | ||