焼きが回った件
2019/6/27 | ||
「あなたって、昔のことはよく覚えているのに、最近のことになるとホント、覚えていないんですね」
これは、家人からいわれる“小言ベスト10”に堂々ランクインする。
ただ、私からすれば、『最近のこと=覚えている』が間違いであって、最近のことだから覚えていないのだと言いたい。
つまり、脳が若かったころに蓄積された記憶は、脳は今でもきちんと覚えていてくれるから、昔のことでも覚えている。
ところが、最近は、脳が劣化し始め、脳力の低下が著しいので、脳が勝手に情報を取捨選択したり、覚えることを諦めたりするから、日々の出来事の大小が記憶から抜け落ち、忘却の彼方に消える。 だから、覚えていない、覚えていられないわけだ。
要するに、私の責任ではない。
1年という単位が、年々、早く過ぎ去るように感じるのも、ただの老化現象なのかもしれない。
記憶が抜け落ち、抜け落ちた分だけショートカットされるので、1年が短く感じるとか―。
そういえば、もはや春の頃の記憶がない…。
早いもので、孫が生まれて今日で1年になる。
1年前、幼虫みたいにゴロゴロしていただけなのに、もう歩くし、飯も食べる。
孫の成長は、我が子とはまた違う喜びがあるが、孫と一緒にいると、じいじと呼ばれるせいか、どこか老いを感じてしまう。
そして、いつしか、じいじという立場にも慣れてしまい、娘が孫を連れて遊びに来てくれることを心待ちにしている自分がいることに気付き、すっかり焼きが回ってしまった(←老いぼれてしまったという意味です)と、ちょっぴりナイーブになった孫の1歳の誕生日。
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林 正寛 | ||