消えるのか、残るのか。

消えるのか、残るのか。

  2020/10/20  
     
 

 

かつて大阪市には、東区と南区という行政区が存在していたが、平成元年に統合され、今の中央区となった。

 

私は当時、大阪市東区淡路町にある大阪支店で勤務していたが、時はバブル。大忙しの毎日の中、それぞれの行政区の由緒や歴史認識などに思いをはせる余裕もなく、ただただ事務的に統合を処理したに過ぎなかった。

 

ステータスとしての東区と、いわゆるミナミの歓楽街のイメージの強い南区は異色であり、歴史も当然ながら異なるが、お互いに統合されるまでの歴史は、100余年に及んでいた。

 

今さらながらではあるが、どういった理由と経緯で統合されたのかはさておき(統合は必要不可欠だったに違いない)、行政の都合で由緒ある東区と南区が無くなり、「中央区」となったことは、残念でならない。

 

 

自治体を広域化することによって行政基盤を強化し、地方分権の推進に対応することを目的とした平成の市町村合併にしても、理屈はわかるが、自分が生まれ、過ごしてきた町の名称が消えてなくなるのは、さみしいと思う。

 

令和の時代に何をのんきなことをと叱られるかもしれないが、行政に関しては、効率性や合理性、もしくは採算性はとても大切なことであると理解はしつつも、ただ、それだけでいいのかと思わなくもない。

 

 

大正区、此花区、東成区、西成区、住吉区、阿倍野区、生野区、平野区・・・。

 

個性豊かで由緒ある行政区が消えるのか、残るのか。

 

 

 

大阪都構想の住民投票まで10日余り。

 

 

一向に盛り上がる気配がない―。

 

 

 

   

 

   

 

 

 

  林 正寛