お口の健康。
2021/6/8 | ||
久しぶりに歯医者に行った。
コロナ禍に歯医者はどうしても気になって敬遠してきたが、我慢の限界が来た。
今の歯医者は、麻酔をしてくれたりして、できるだけ痛くないようにしてはくれる。
それでも、要所要所では責められ、痛くて診察台の上で「アガアガ」呻きながら何度かカラダをぴくぴくさせると、そのたびに、横の若い歯科衛生士の女性に笑われた。
それにしても、今の歯医者は、明るくて、清潔感があり、スタッフも親切だし、とても気持ちがいい。
子どものころの歯医者といえば、とても暗くてオソロシイ場所だった。
ゆらゆら揺れるアルコールランプの炎、高音で鳴り響く金属音、冷たい口当たりの銀のコップ、陶器の中をぐるぐる流れる水。
診察室の奥から、チェーンソーを持ったジェイソンが出てきても、不思議ではないくらいのそんなヤバい雰囲気すらあった。
「ハヤシさん、次回は、お口の健康をチェックしてみませんか」
治療最終日。 歯科衛生士の女性ににっこり微笑まれ、うっかり予約を入れてしまった。
「お口の健康」なんて関心ないし、かなり面倒くさかったが、治療以外では生まれて初めてかもしれない。再び、歯医者に行ってきた。
「お口の健康」に関心がない割に、歯周病チェックなどの成績は悪くなく、褒められた。
― ははは、あなたが思うより健康ですってか。うっせぇわ。
ただ、若い歯科衛生士の女性から手鏡と歯ブラシを渡され、歯磨き指導をされたのには、一切合切凡庸な私は、さすがに赤面した。
最後に、これまた生まれて初めてフッ素コーティングしてもらい、なんだか、とても「お口が健康」になったような気がした。
「ハヤシさん、半年くらいを目処におハガキでご案内いたしますので、また、お口の健康チェックに来てくださいね」
外に出ると、一気に汗が噴き出してきた。 大急ぎでやってきた梅雨だったが、息切れしたのか。雨が降らない。
早くおハガキ届かないかな~♪
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林 正寛 | ||