少し愛して、ながーく愛して。
2013/02/25 | ||
最近はすっかりアルコールに弱くなったが、若いころは、飲んでも飲んでも酔わなかった。
たっぷり飲めれば幸せだった。
学生のころは経済的な余裕はなかったので、普段は友達同士、お酒やつまみを持ち寄っての部屋飲みが中心になる。
そんなとき買っていたのが、昭和4年発売の国産ウィスキー第1号、白いラベルが目印の「サントリーホワイト」か、その弟分で赤ラベルが目印の「サントリーレッド」。こちらは昭和5年発売。
どちらもお手頃な値段だったので、量を重視していた当時、貴重な存在だった。
飲み方は「ロック」。
ひとりでボトル1本を飲み干すことくらい平気だったが、「ホワイト」も「レッド」も二日酔いは強烈だった。
そして社会人になり、初めて「サントリーオールド」を買った。
通称「だるま」の味は絶品だった。
それから、「リザーブ」、「ロイヤル」とバージョンが上がり、バブル時代には、高級なウィスキーやブランデーを飲む機会もあったが、バブルが崩壊して勤めていた会社が倒産するまでの怒涛の10年は、ゆっくり味わいながら飲むような余裕もなく、口にその味は残っていない。
また、その後の10年にしても、酔うためだけに飲むような「痛飲型」だった。
医師からお酒の量を減らすよう注意を受けるようになった今では、ほんの少しの水割りで酔ってしまうけど、ようやくお酒を楽しみながら飲むことができるようになったかもしれない。
そして、当時ヒットしたCMのキャッチコピーも、理解できるようになったのかも…。
「すこし愛して、ながーく愛して」
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林 正寛 | ||