かまびすしい大人たち。
世界フィギュアスケートは、ソチの熱気を思い起こさせるようなレベルの高い内容だった。
一方で、レベルが低かったのは、アスリートを取り巻くレポーターなどのマスコミの大人たち。
もう少しマシなアプローチの仕方はないものか…。
インタビューの内容も実に馬鹿げていて、それに一生懸命答えている選手たちが気の毒だ。
大人たち(世間)の干渉との戦いにも勝たなければ一人前のアスリートにはなれないといったところ
だろうか。
韓国の大韓体育会と大韓スケート連盟が、ソチ五輪フィギュアスケート女子シングル競技の採点結果
が不公正だったとして、国際スケート連盟(ISU)の懲戒委員会に提訴した。
銀メダルに終わったキム・ヨナ選手は、「採点はとても不合理であきれる」と語る一方で、「すべて
終わってとても幸せ」、「やるだけやったという思いで何の未練もない」とも語っている。
さらにキム・ヨナ選手は、採点結果をめぐる議論へのコメントを拒否し、一貫して「成績には満足し
ている、過去は決して振り返らない」とも表明してきた。
当事者本人はすでに引退を表明し、「やれることはすべてやった。思い残すことはない」としている
のに、なぜ「提訴」なのだろうか。
それは、本人の思惑を無視して大人たち(世間)が騒ぐからだ。
しかし、仮に韓国の言い分がとおり、そんなことがあるのかわからないが、採点を正したところキム・
ヨナ選手が金メダルでしたとなったとして、キム・ヨナ選手は喜ぶだろうか…。
お隣の国のことまで口出ししなくてもよさそうなものだが、当事者の気持ちや立場を無視した大人た
ちの過熱ぶりは、日本も同じだろう。
最近のアスリートたちは、オフシーズンでもメディアの露出が増え、半分はタレントみたいなものだ
から、世間を敵に回したくないところではあるが…。
大人たちがかまびすしいと世間が浮足立つ。
林 正寛