キャラ。

キャラ。

  2016/05/20  
     
 

人にはそれぞれ「キャラ」がある。

 

割り合い早い時期、例えば、小学生の高学年あたりになるとカラーのようなものが出てきて、授業中に積極的に発言する子、運動会のリレーに名乗り出る子、生徒会の活動に自ら参加する子などの顔ぶれがだいたい決まってくる。

 

子どもの頃は目立たなかった控え目な子が大人になってテレビなどで活躍するケースもあるが、おそらく潜在的にはそうしたキャラを持っていたものが、何かのきっかけを得てそうなったのではあるまいか。「キャラ変」はそうできるものではない。

 

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阪神タイガースの新監督の金本が掲げるスローガン「超変革」はよろしい。

人気球団ゆえの甘えやぬるま湯体質を変えるには、金本のキャラはいい。しかし、選手のキャラを変えることは難しい。

 

金本からキャラ変しろと指示され、なんとか監督の期待に応えようともがき苦しみ、その結果、打撃成績が落ち込み、守備の名手がエラーを繰り返しているのが鳥谷だ。

 

鳥谷は走攻守そろった名選手であるが、チームを引っ張りリーダーシップを発揮するタイプではない。

 

クールに黙々と自分の仕事をして結果を残すタイプであり、遊撃手という立場上、内野の司令塔として役割を果たしてきた。

 

ところが、2012年のシーズンからチームキャプテンをやらされるようになり、そこから鳥谷のシーズンの成績は落ちてきた。

 

しかし、金本はさらに今シーズンから、昨年までの鳥谷の成績、キャプテンとしての姿勢が物足らないとして、もっと声を出せ、もっと前に出ろ、チームを引っ張れと、本人にはもちろん、マスコミに対しても「鳥谷が変わらなければ優勝は無い」といった調子で喧伝してきた。

 

で、真面目な鳥谷は、打てず守れずで苦しんでいる。

 

鳥谷は、早稲田大学時代から名選手としてプロから注目されてきたが、たしかキャプテンを務めたことは無い。彼はキャプテンが務まるキャラではない。

 

しかも今年で13年目のシーズン、すでにベテランの域にある34歳にキャラ変を求めるのは酷だろう。

 

野村克也に長嶋茂雄のような華を求めてもできるものではない(例えが古すぎるナ…)

 

そこに金本が気付かない限り、鳥谷の成績とチームの浮上は無いだろう。

 

 

 

と、料亭で私のテーブルの隣に陣取っている阪神ファンのオヤジ数名が、飲みながら野球評論家になった気分でさっきから談議している。

 

私もちょっとだけ入りたい…。

 

 

― そもそも監督は金本じゃなくて岡田で良かったんじゃないか!?

 

 

 
  林 正寛  
     
     

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