無念。

無念。

  2016/10/13  
     
 

人は、月日が経てば自然と大人になっていく。

 

よく親戚のおばさんなんかが、「あら、大きくなったわね」と、子どもの成長に驚く場面に出くわすが、これは、カラダの大きさや置かれた場所による極めて形式的な外面だけの話である。

社会人になれば、ただそれだけで「すっかり大人になっちゃって」となる。

 

しかし、内面については、自然と大人になっていくわけではなく、たまになにかの拍子に、外面とは裏腹に大人になり切れていない自分がいることに自分自身、気が付くことがあったり、意識の中に常にそうした自分をおいていたりする。

 

思春期には、外面はドンドン大人になり、周りからもそのように見られるようになるのに、心はまだ成熟していないため、心とカラダのバランスが取れず、懸命にバランスを取ろうとすればするほど心がゆらゆらと揺れ動き、悩み苦しむことになる。

 

 

自分の心なのにどういうわけだかコントロールしにくいのが「心」であるが、おそらく、この心とカラダのバランスは、生涯釣り合うことは無いように思う。

 

ただ、人は過ぎゆく月日の中で、揺れながらもどうにかバランスを保ったり、崩れそうになった場合に立て直するための対処法を身につけていくのだろう。

 

大切なのは、「自分に気付く」ということで、自分が何者なのかを冷静に自己診断ができなければ、対処法も身につかない。

 

対処法が身につかない人、つまり、自分の内面は外面ほど大人になっていないことに気が付かず、心とカラダのバランスが崩れたままの人(崩れていることにも気が付かない人)の精神構造は子どものように未熟で、ただ大人のように見えるだけである。

 

この手の人間は、物事を深く考えない、どうするのか、どうすればいいのかを考えないので、とてもじゃないけど「どうなるか」なんて見えないから、こんな精神構造の人が会社の上司なんかになれば、部下は大きな不幸を背負う。

 

 

 

「どうなるか」が見えない上司の下、

わずか24年の人生を自ら終わらせる選択をしなければならなかった電通の女性社員の無念を思う。

 

 

 
  林 正寛  
     
     

株式会社アスキット・プラス

 

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