広瀬香美は正しい。
2016/12/20 | ||
広瀬香美ファンの息子のために、デビュー25周年記念アルバム「25th プレイリスト」を購入した。
毎年、冬になると営業を始める広瀬香美のスタイルは季節の便りみたいなものだが、息子にしても、「冬限定のファン」で、世間に春がやってきて、広瀬香美が店を閉めるころになれば、息子も広瀬香美を口ずさむことはなくなる。
デビュー当時の営業スタイルは知らないが、それにしても「冬限定」になってからもずいぶんと古いわけで、しかも、毎冬、当時ヒットした曲を繰り返し歌い、それでいて、こうも長く活動を続け、25周年の記念アルバムを発売するほどなのだから、「冬限定」もそこそこなのだろう。
それにしても、広瀬香美は、夏は一体何をしているのだろうか。
余計なことかもしれないが、広瀬香美のこのアルバムの初回限定盤にはDVDが付属されていて、若い時分のライブの模様も収録されているので、彼女の現在と過去との顔の違いが楽しめる(夏は何をしているのかのヒントがここに隠されているのかも知れない)
会社の近くに、冬の期間にフグ料理だけのために営業する専門店があった。
春から夏のシーズンオフの間、店はひっそりと閉じられ、人混みの中でその存在すら消してしまっているかのようであったが、冬になると目覚め、のれんが立つ。
この店ののれんが立つと、まるで遠距離恋愛の恋人にようやく会えるようなワクワクした気持ちになり(フグですが)、早く行かないと、冬が、店の営業が、フグが終わってしまうのではないかと急き立てられるようで、よく通った。
ところが、3年ほど前から夏場はハモ料理をふるまうようになり、店は年中営業するようになった。
不思議なもので、年中営業をするようになると、何となく興味をそがれてしまい、私の足はその店から遠のいた。
広瀬香美は正しい。
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林 正寛 | ||