オトナのススメ。

オトナのススメ。

  2017/1/23  
     
 

キリンのアルコール飲料「氷結」のWeb限定のアニメCMがクレームにより「凍結」されたことが話題になっている。

 

実際にCMを見てみたが、21歳~25歳と設定された美男美女の登場人物が実に爽やかで、「氷結」の飲み心地にピッタリである(と思われる。私はチューハイが飲めない…)

 

このCMのどこが問題なのか…。

 

クレームの理由は、「若年層がターゲットで、未成年にアピールする内容」だからだそうだ。

 

私には理解できない。

 

未成年者は大人への憧れはあるし、背伸びしたい気持ちもある。

 

このCMを見て、その思いをより強くする未成年者はいるだろうが、それはそれで大いに結構ではないか。

 

私は、父親が美味そうにビールを飲んだり煙草を吸ったりする姿を見て、早くお酒が飲みたくて、早く煙草が吸いたくて、早く大人になりたくてたまらなかった。

 

お酒というひとつのパーツをとおして、若者が大人に憧れたり、社会をのぞき込んだり、そして好奇心を持ったりすることはとても良いことだし、反対に、そんな思いを抱かせない世の中ほどつまらないものはない。

 

 

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今は、私が子どものころと違い、より性的、暴力的で詐欺的な情報が山ほど溢れている。

 

親は子どもを守りたい。

 

でも、だからといって、大人が先回りして、あれもダメ、これもダメだと情報をシャットアウトしてしまっては、子ども自らが選別、選択する機会を失い、場合によっては善悪の判断能力までも失ってしまいかねない。

 

あえてチラッと見せる、わざとちょっとだけ触れさせることも必要である。

 

 

それにしても、このごろは、クレームがあるとすぐにCMを引っ込めてしまう企業が多いように思うが、もう少し堂々としていられないものか。

 

日を当てれば必ず影はできる。影ができたからと言って否定してしまえば、せっかくの輝きさえも失くしてしまうことになる。

 

 

子どものころ、父親に舐めさせてもらったビールの泡の苦さに驚き、大人はどうしてこんな苦いものを平気で飲めるのか不思議で仕方がなかったが、大人の世界というのは、ビールの泡とは比べものにならないくらい苦いからだということに、やがて気がついた。

 

 

大人への憧れと挫折。そして選択、やがて成長。

 

大人の階段は、大人が用意してやるものではない。

 

子どもが探してきて、自ら上るからこそ価値がある。

 

 

 
  林 正寛  
     
     

株式会社アスキット・プラス

 

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