さようなら。

さようなら。

  2017/3/1  
     
 

「理屈はこちらにあっても、ひとまず先方と話をしてからのほうがいいでしょうね」

 

 

この前、F弁護士と破産管財事件におけるある事案について、どう対処したらいいのかを話をしていたときのこと。

 

破産管財人として今すぐ行動したとしても特に問題はなさそうではあったが、大きな作業をともなうことでもあり、思わぬ事故が発生する可能性もある。

 

私なりに感じる懸念をいくつか申し上げたが、その際にF弁護士の口から出たのが冒頭の言葉である。

 

バランス感覚、そして心の余裕だろう。

 

どこかの国の新大統領に聞かせてやりたい。

 

 

エスカレーター.jpg

 

 

仕事でよく使うJR大阪駅。

 

電車を降りると、多くの人がエスカレーターに向かい、その右寄りに長い列ができる(関東では左寄りですな)

 

いつのころか、エスカレーターを歩いて利用する(急いでいる)人のために片側を空けておくようになったが、左が空いているのに右に長々と並ぶのは合理的でないので、私はたまに左に立つ。

 

そうすると、私の後ろから左が渋滞し二列ができあがる。

これが、鉄道各社が求める理想形だ。

 

 

しかし、先日、左に立っているとサラリーマン風の若者が背後に近づいてきて、「あの、急いでるンですけど」とイラつかれ、狭い空間を無理やり押し通ろうとしてきた。

 

これでは右側の人に迷惑がかかると思い、やむなく、歩きたくないのに、モタモタと歩いてエスカレーターを上がった。

 

私の反抗的なモタモタに腹が立ったのか、エスカレーターを上がり切ったところで、若者が睨んできたので、アントニオ猪木のように顎を突き出して睨み返してやったら、驚いたようにペコリとお辞儀をされた。

 

― わかればいいンだ。シニアは大切にしないといけない。

 

 

「理屈」は通るもの。

「屁理屈」は無理やり通そうとするもの。

誰もがなるほどと理解できるのが「理屈」。

筋が通らないことを言っているのが「屁理屈」。

 

 

この場合、エスカレーター利用上のルールを守っている私に理屈はあるように思うけれど、今では片側を空けることが世界的にすっかり定着しており且つ若者は急いでいるという状況に照らせば、若者にも理屈はあるように思う。

 

 

「なぁ、君はどう思う?」と家人に聞くと、

 

「なんだかその質問自体が理屈っぽいように思うわ。お願いだから、刺されたりして面倒かけないでくださいね」

 

 

そう言って家人は、テレビのワイドショーに再び目を向けた。

 

 

 

― そうか、引退してしまうのか。

 

 

 

堀北真希ちゃん

 

 

 

 

さようなら。

 

 

 

 
  林 正寛  
     
     

株式会社アスキット・プラス

 

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