本当に手にしたいのは。
2017/9/19 | ||
米航空宇宙局(NASA)の土星探査機カッシーニが、土星の大気圏に突入して、燃え尽きた。
打ち上げから20年。移動距離は35億キロにおよび、土星を294周、45万枚以上の写真を撮影し、その使命を終え、流れ星になった。
このニュースを見て、小惑星探査機「はやぶさ」を思い出した。
幾多の困難を乗り越え、60億キロにおよぶ旅を終えて地球に帰還した小惑星探査機「はやぶさ」は、当時、大きな話題になったものだが、あれから早7年。
「ほんで、その後、どうなったん?」
* * * * *
私のような頭の良くない人間が口を挟むことの許されない領域なのだろうが、宇宙の研究というものが、もうひとつ、ピンとこない。
日本人宇宙飛行士も大きな話題にはなるが、なんというか、その後の成果のようなものが手に取るようにわからない。
「だからお前はバカなんだ」と言われるだろうが、宇宙誕生の秘密、宇宙の仕組み、新しい惑星の発見とか、知ることは大切なんだが、知ってじゃあどうするがわからない。
宇宙ってなんだ。
あるけどない。ないけどある。ドーナツの穴のようなもの。それで良くないか。
M78星雲にウルトラ一族が住んでいたとか、こりん星は本当にあって、小倉優子は実は宇宙人だった。こんな発表があれば、話は別だけど。
* * * * *
今や宇宙は、衛星や探査機などで渋滞しており、宇宙ゴミの量もすごいらしい。
人類が動けば、すぐこうなる。
人類の発展に付きものの破壊と絶滅。
宇宙もいつか、人類の手で滅びてしまうのだろうか。
夜空を見上げ、月の満ち欠けに人生を重ね、星の輝きに安堵し、そのスケールの大きさと小さな自分を比べ、泣いたり笑ったり。
本当に手にしたいのは、土星の輪の成分なんかじゃない。
本当に手にしたいのは―。
♪~ 見上げてごらん夜の星を ぼくらのように名もない星が ささやかな幸せを祈ってる 手をつなごうぼくと 追いかけよう夢を ふたりなら苦しくなんかないさ
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林 正寛 | ||