寝言は寝てから言って。
2018/1/31 | ||
自民党たばこ議員連盟の設立趣旨の一つにこんなのがある。
「過度な喫煙規制に反対し喫煙者と非喫煙者が共存できる分煙社会の構築」
― 詭弁だろうな。
しかし、結局、健康増進法改正案の素案において厚生労働省は、「吸う権利も認めるべきだ」と主張する自民党との決着を優先し、受動喫煙対策は大幅に後退した。
私は禁煙して丸7年になるが、今でもまだ、吸いたい。
だから、喫煙者の吸いたい気持ちはわかるし、たばこくらい好きに吸わせてやれと言いたいところだが、受動喫煙による健康被害は医学的に確定しており、そう易々と吸われては周りが迷惑する。
日本人男性の場合、喫煙者は非喫煙者に比べ肺がんのリスクは4.5倍に増えるが、欧米では10~20倍といわれている。この比率の差はなにか。
日本は受動喫煙が多く、非喫煙者のがんのリスクが高いため、喫煙者との差が欧米ほどつかないらしい。
これは大問題であり、実際、受動喫煙は、放射線を100㍉シーベルト程度、被ばくするのに相当すると新聞記事で読んだことがある。
喫茶店などの客層に喫煙者が多い店舗では、受動喫煙対策は直接経営に影響を及ぼすだろうが、受動喫煙に関する問題は今に始まったことではない。店としての対策期間は十分にあったはずだし、受動喫煙対策は世界の潮流である。
周囲の健康を害し命を犠牲にしてもなお自民党が主張する「吸う側の権利」とはなんだ。
今や国民の8割が非喫煙者である日本において、「喫煙者と非喫煙者が共存できる分煙社会の構築」は、少なくとも私には寝言にしか聞こえない。
― 寝言は寝てから言って。
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林 正寛 | ||