正しい使い方ができない人はいる。
2018/1/25 | ||
メールにLINE、Twitterなどの浸透で、文字が溢れるこの世の中。
私は、遅ればせながら、昨年12月から本格的にTwitterを始めたが、140文字以内で的確に表現することは案外難しい。
そもそも、何をつぶやけばいいのか、そこが思いつかないからどうにもならない。
日に何度も、ツイートしたり、リツイートしてコメントしたりしている人がいるが、これも才能だと思う。
私にはとてもできない。だから私のTwitterは、リツイートといいねだらけという惨状になっている。
しかし、Twitterを始めて残念に思うのは、すごく攻撃型のツイートだったり、コメントだったりが多いこと。
そこには、「おまえ」とか「こいつ」とか「クソ」とか、過激な文字が並び、批判めいていて優しさはない。
炎上することを楽しんでいるのだろうか。
他人の過激なツイートを読むだけで、こちらの心も荒んでしまう。
SNSに限ったことではないけれど、なんにしろ正しい使い方ができない人はいる。
昭和31年だったか、日本初の南極観測隊として派遣された隊員のうち、越冬隊として現地に残された隊員は、わずかに11名。
ここ数日来の寒波も寒くて仕方がないが、南極はそんなものじゃない。
気温は、マイナス40度。そんな極寒の地での作業は、まさに命がけといっていい。
しかも、南極と日本を繋ぐのはモールス信号(電報)のみで、その通信は不安定。しかも、一文字幾らでとても高額。
今のメールやLINEのように頻繁にやり取りができるものではない。
そんな中、昭和基地で迎えた新年。
現地では、日本で待つ家族からの電報に沸き返っていたが、ある隊員にその妻から届いた電報には、わずか3つの文字が刻まれていた。
「アナタ」と―。
3文字のラブレターとして有名な話ではあるが、このわずか3文字に、妻の夫の身を按ずる思い、抑えきれない愛情、夫に会えない寂しくて不安な気持ちが込められている。
現代の環境とは比べようもないが、それでも、人が人を思いやる心に今も昔もないだろう。
それが大切な人であればなおさらで、思いつめれば最後には、余計な言葉はいらなくなる。
ところで、私のモールス信号は、あの人に届いただろうか…。
「○○○○」
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林 正寛 | ||