君の名は?

君の名は?

  2016/11/10  
     
 

映画「明日の記憶」

 

渡辺謙が演じる佐伯雅行は、進行していく若年性アルツハイマーに苦しむ広告代理店に勤める49歳部長。

 

その雅行を献身的に支える妻の枝実子を樋口可南子が演じる。

 

映画のラスト、山中の陶芸教室に雅行を枝実子が迎えに行くシーンでは、雅行はもう目の前にいる女性が妻であることさえわからなくなっている。

 

雅行は妻に向かい少し照れたように、「あの…、ぼく、佐伯っていいます。佐伯雅行」と自己紹介し、「あなたは?」と尋ねる。

 

枝実子は微笑みながら、「枝実子です。枝が実る子と書きます」と答えると雅行は、若い日、二人が初めて出会ったときと同じ言葉を口にする。

 

「枝実子さんか…。いい名前だな」

 

映画はここで終わってしまうが、おそらく最後のこの一言で妻は確信したのだろう。

 

妻の顔さえも忘れ、すべての記憶を失ったとしても、心までは変わらない、あなたがあなたであることに変わりはないということを―。

 

 

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流行は常に押さえておかなくてはいけない。

 

この夏、映画「シン・ゴジラ」と「君の名は。」を観た。

 

「シン・ゴジラ」は、ゴジラが東京に現れるととても大変なことになるということを勉強した以外は特に感想はなく、強いて上げるならば、石原さとみは可愛いけれど、どうも好きになれないナと改めてと思ったということぐらいだろうか。

 

「君の名は。」の方は、案外、ストーリーが複雑で理解に苦しんだ。

私は、人よりこうしたストーリーが頭に入らない性質だし、途中で仕事の電話が何回かスマホに入り、そのたびに席を離れたこともあり、かなり頭が混乱した。

 

映画に関しては、日本国内興行収入歴代ナンバー1の「千と千尋の神隠し」、ナンバー5とナンバー6の「ハウルの動く城」「もののけ姫」なども現実離れした、これは一体、なんなんだと思わせる内容でまったくわけが分からない。

 

だから特にアニメに関しては、わけがわからなくても深く考えず、スクリーン上に展開する映像を楽しめば良いのだろうが、「君の名は。」に関しては、何故これが流行るのだろうかと大いに疑問で、何がテーマなのだろうかと考えていると、「明日の記憶」がなんとなく頭に浮かんだ。

 

心は決して変わらないと―。

 

 

そして、「明日の記憶」が思い浮かんだところで次の疑問が生じた。

 

 

もし私が記憶を失ったとして、家人は世話をしてくれるだろうか…。

 

 

「君の名は?」

 

 

 
  林 正寛  
     
     

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