どうしていつもこうなるのか教えて欲しい。
2014/12/3 | ||
仕事で外出した帰りの電車の中。隣に40才くらいのガラの悪いオジサンが座っている。 どこから乗ってきたのだろうか。うたた寝していて気が付かなかった。 adidasの上下のジャージがイカツイ。
どうしていつもこうなるのか教えて欲しい。
隣にきれいなオネエサンが座ってきたことなんて、数えるほどしかない。
そういえば、新幹線や飛行機も同じで、これまでなんど新幹線や飛行機に乗って移動したか数えきれないが、隣が若い女性であった例がない。
メンバーズカードを作る際に入力した生年月日や性別がJRや航空会社の顧客情報に入力されていると思うが、私がカードでチケットを予約すると、顧客情報から即座に年齢と性別が吸い上げられ、「この人物の隣に若い女性厳禁」などという要注意の赤いフラグが立って、全国に送信されているのではないだろうか。
窓口でチケットを買うときも、窓口の職員が私の風貌を見て判断し、「要注意」と書かれた穴に(←こういう穴があるはずである)、あのマッチ棒みたいなのをさりげなく突っ込んで全国の窓口に知らせているに違いない。
そうでなければ、50年間、毎回毎回、「隣がオジサン」のわけがない。
私は真剣にそう思っている。
話が横にそれた…。
そのガラの悪いオジサンだが、型どおりというか、腰を大きく前にずらして座り、足は、右足の外側のくるぶしを左ひざの上あたりに置いてL字に組む。そして、スマホで遠慮なしに話をする。
私はオジサンの左に座っているので、オジサンの汚い右足の運動靴の底が私の右ひざ辺りに触れそうになるが、オジサンは気が付かない。
周囲の乗客もオジサンの靴が気になる様子で、どこか緊張感が漂っている。
私はしばらくオジサンの様子を窺い、ガラは悪いが、話しぶりや体格からすると、仮に喧嘩になってもどうやら負けないだろうことを確信した。
― これなら家人のほうがよほどコワイ…。
電話も注意しようと思ったが、電話を切ってゲームを始めたので、そのタイミングで、 「あの、この足を下ろしてくれませんか」
電車の中の緊張感が極限に達した。
一瞬の沈黙の後、「あっ、すみません」とオジサン。ついでにきちんと行儀よく座り直した。
電車の中の緊張感が一気に安堵の空気に変った。
不思議なもので、きちんと座ってスマホでゲームをするオジサンは、いかにも普通で、adidasの上下のジャージからも違和感が消えた。 人は態度や姿勢でこうも変わるものである。
カラダの構えは心の構えにもつながるし、心の構えはカラダの構えに出る。 何事も上手くいかなくて心が折れそうな時も、感情的になり心がささくれだっている時も、姿勢を良くしていれば、そのうち状態は良くなると私は信じる。 姿勢の良い人は美しくカッコいい。
隣に若い女性が座ってくればいいのにと思う心、つまりは姿勢の問題である。
そういう姿勢でいる限り、「隣がオジサン」は解消されないと思うが、私の場合、私の横に座るのは、一生、オジサンだろう。
たぶん…。
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林 正寛 | ||