それって、なんだかな…。

それって、なんだかな…。

  2014/09/04  
     
 

24時間テレビというチャリティー活動を行う番組が毎年、放映される。

 

今年は、会社の帰りに家人と待ち合わせて、大阪のメイン会場に初めて行ってきた。

 

テレビ中継が始まる前だったけれど、すでにたくさんの人が集まり、テレビカメラの前では、アナウンサーやタレントさんたちがリハーサルを行っている。

 

 

「あなた、ほら、あの女子アナの人。可愛いわね。さすがに花があるわ」

 

こういう振りには細心の注意が必要になる。

 

うっかり「ホント、可愛いよな」なんてまともに答えたら、しばらく危ないものを見るような視線に耐えなければならなくなる。

 

心の中では「可愛いなぁ」とか「インタビューしてくれないかな」と思っていても、まるで興味がないような体で、「あ、そう?気が付かなかったナ」と、サラリと交わしておけば、当面、平和は維持できる。

 

 

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会場では、募金受付カウンターのようなところへ募金を持って行くと代わりに、うちわとステッカーがもらえるが、それらと一緒に、黄色の募金箱が渡される。

 

募金したその端からまた、募金箱が渡されるわけだ。

 

― それって、なんだかな…。

 

 

それにしても、これだけの人がいるのに募金している人がほとんどいない。なんだか妙だなと思いながら会場を離れようとしたときに、テレビの生中継がスタートし、カメラが回り始めた。

 

その途端、募金カウンターに人が集まり、行列をなして募金をしだした。

 

募金が終わった人にタレントがインタビューをし、その後ろではカメラに向かってVサインをする人で溢れた。

 

― それって、なんだかな…。

 

 

東日本大震災のときに、著名な人々が何億、何百億という額の寄付をしたとマスコミが取り上げていた。自分にはとてもできない素晴らしいことなのに、名前を公表することには違和感を覚えた。

 

今回、テレビカメラの前で募金をする人の姿を見て、当時の違和感と同じものを感じた。

 

日本人の国民性って、こんなんではなかったように思うが。

 

 

そもそもチャリティにこんな華やかな会場はいらないだろう。テレビカメラもいらないし、女子アナだって必要ない、などとは野暮だろうか。

 

 

― あの女子アナは可愛かったけど…。

 

 

 
  林 正寛  
     
     

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