情報を制する者が市場を制する。
2013/03/15 | ||
「ミシュラン」一つ星の焼き鳥屋に行った。 美味しい! しかし、普段よく行く梅田の堂山町ネオン街の焼き鳥屋とどっちが美味しいか…?
イタリア料理店でワインを注文した。 お店の人が横文字を並べながら勧めてくれた「一品」。 そう言われれば、美味しい「気」がする。
中古車販売店でクルマを買った。 中古車は、原価がわからにないし、レモン(欠陥品)かどうかも不明なので、手を出したことがなかったが、あるブランドの「認定中古車」であれば間違いがないとの情報を信用して買った。
これらに共通するのは、どれもこちら側には情報が無いということ。 つまり、経済学でいう「情報の非対称性」が発生してしまっているので、相手の「シグナリング」である「ミシュラン」、「当店お勧めの一品」、「認定中古車」という情報だけが動機付けになってしまっている。
中古車の例で言うと ①買い手は真の価値を知らないので、お買い得ですよと勧められて、価値10万円の欠陥車を騙されて80万円で買ってしまう。
②一度そのようなことがあると騙された買い手は、価値75万円の優良車に80万円の正当な値段を付けた良心的な売り手まで信用しなくなる。
③その結果、価値5万円の欠陥車を30万円の低価格で売り込んでくる悪質な売り手に再び騙され、市場は悪質な売り手に支配されてしまう。
これは、経済学で言う「レモン市場」という現象である。 毎日、市場には大量の商品が供給され、テレビやネット上でも、これでもか、これでもかと繰り広げられるCM。 それはまさに、玉石混交である。
では、騙されないためにはどうすればよいか。 「すべて買わない」のも一つではあるが、投資しない限りリターンはない。 結局は、「訊いて」、「調べて」情報格差を埋めるしかない方法は無い。 情報を制する者が市場を制するのだ。
「ハヤシさん!生きのいいピチピチが入っていますよ、ウヒヒヒ」 「いいねぇ。うん、じゃあ、それ!」
刺身の話だけど…。
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林 正寛 | ||