出会いと別れ。
2013/03/19 | ||
春は、巡る季節の中でも、一番わくわくするものがある。 語感がいいし、寒さから解放される、このことが何より嬉しい。
春は、また、出会いと別れのシーズンでもある。 先日、長女が高校を卒業した。 寂しいという気持ちより、卒業したという実感が無いらしい。 また、いつものように、“おはよう”と言って教室に入り、みんなに会えるような気がすると。 人間は、とにかく「日常」に埋没して適応してしまう。 3年間で卒業すると頭ではわかっていても受け入れられない。 その「日常」が変化して初めて、失われたものの重大さに気が付いたりする。
自分の意思であろうとなかろうと、出会いと別れはやってくる。 もちろん、出会いが多い方が嬉しいに決まっているけど、出会いの数だけ別れはやってくる。
たいしていいこともなかった私の青春時代、バブル崩壊と共に倒産してしまったけど、最初に就職した会社でのサラリーマン時代、それぞれに出会いと別れがあった。
最後は、自分に与えられた寿命が尽きれば、出会ったこの世と別れを告げる。すべての人との別れを果たし(きちんとお別れのあいさつができない人が大半だけど)、出会いと別れがプラスマイナスゼロになる。
今は、Facebookなどの便利な交流サイトがあるので、一度別れてしまった人でも、割と容易に再会を果たすことができるし、メールアドレスに変更がなければ、いつでも連絡が取れてしまうので、私の時代に味わった「別れ」とは、趣が違うかもしれない。
ただ、友達や先生、同僚、恋人、家族と共に過ごした「時間」は、二度と巡ってこない。 「今」は、猛スピードでビュンビュン「過去」になっていく。 だから、プラスマイナスがゼロになる瞬間まで、その一瞬一瞬を大切に、正々堂々と生きていかなくてはいけない。
その積み重ねが人生だ。
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林 正寛 | ||