とんでもないところ。
2013/03/27 | ||
NHKの番組「つくってあそぼ」が今月で終了する。 トイレットペーパーの芯や牛乳パックといった身近にあるもので工作をして遊ぶ。 主役の「わくわくさんとゴロリ」にお世話になったお家はたくさんあるだろう。
久保田雅人さんは、番組がスタートした1990年から23年、「わくわくさん」を演じてきた。 もともとは売れない劇団員。初めて出演した映画はVシネマの死体役だった。 喫茶店の客などエキストラが多い中、NHKのオーディションを受けて合格し、「わくわくさん」役を射止めたわけだが、オーディションを受けたのは久保田雅人さん1名だけだった。
工作が得意だったわけでもなく、番組スタート当時は独身だったので、子育ての経験もない。 「ゴロリ」と息が合うまで数年かかった。
そんな久保田雅人さんが強く心に決意していたのは「とことんやる!」こと。 また、高校時代の恩師は、「継続は力なり」を教えてくれた。
久保田雅人さんは、番組がいつ終わるかわからない中で声優や役者仕事を一切やめ、幼稚園などでのイベントを積極的に引き受け、「わくわくさん」をとことん演じ、そして継続してきた。
以来、番組以外でも年300日ほど、全国の幼稚園や保育園を訪れて工作教室などを公演。 累計ステージ数は5,000回を超える。
決して派手さは無いが、コツコツと積み上げてきた歴史である。
イチローの言葉を思い出す。 「小さいことを積み重ねるのが、とんでもないところへ行くただ一つの道だと思う」
私は横着なので、一気にとんでもないところへ行く方法は無いものかと、毎日継続して考えているが、いまだにその方法にたどり着かない。
どうやら、努力もせずにただ夢を積み重ねているだけだということに最近、気が付き始めた。
こんな魂胆では、とんでもないところへは当面行けそうにない…。
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林 正寛 | ||