サムライは4年周期。
2013/03/21 | ||
気迫の投球。 果敢な盗塁。 粘りのバッティング。 平凡な内野ゴロにもかかわらず一塁へヘッドスライディング。 ユニフォームを泥だらけにしながら必死に球を追う。 ベンチは総立ち。 スタンドでの応援、祈り。 負ければ終わりの切迫感。 そして、自分の責任ですと、敗戦の責任を背負い込んで涙する選手。
このようにして書くと、「あー、高校野球ね」と思われるだろうが、これは、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の情景である。
残念ながら3連覇はできなかったけど、たくさんの感動を与えてくれた。 WBCの台湾戦、オランダ戦のテレビ平均視聴率は30%超。台湾戦に至っては、瞬間最高視聴率は43%。 日本のプロ野球も捨てたもんじゃない。
というか、どうしてシーズンとこんなに違うのか。 日の丸を背負ったトーナメント方式のWBCと比較すること自体、やや酷かもしれないが、かなり、趣が異なる。
シーズン中は、どうしても「明日があるさ」になってしまう。 負けても、負けても、負けても、試合はある。144試合もある。
当然、全試合に勝つことはできないし、「明日」を見据えた戦略や調整もあるのだろう。 しかし、現実に、人気は低迷し、視聴率は下降線をたどっている。
球団は、タレントを始球式に招いたり、来場者プレゼントや選手との握手・サイン会、視聴者プレゼントなど、人気回復にさまざまなイベントを用意しているが、何か筋違いのような気がする。
NHKが、年末の紅白歌合戦の視聴率を稼ぐために、四苦八苦している姿に似ている。 演歌を歌う細川たかしの前でももいろクローバーZが踊るあのミスマッチに。
ファンが見たいのは果敢でひたむきなプレー。やられたらやり返すような気迫あふれるプレーである。 次に「サムライ」が見れるのは4年後のWBCのときでは寂しすぎるだろう。
間もなくプロ野球が開幕する。 「サムライ」の登場に期待したい。
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林 正寛 | ||