企業は人なり。

企業は人なり。

  2013/03/26  
     
 

日本航空・JALは再生した。

 

稲盛和夫名誉会長が今月末で取締役を退任する。

稲盛氏は、会長就任から3年を目処にJALの経営から身を引くことを公言していたが、その言葉通り、きっちりJALの再生を果たして3年で退く。

 

凄すぎる。

まるでウルトラマンが3分で怪獣をやっつけて、飛び立つあの姿に似ている。

 

JALは、誇り高きナショナル・フラッグ・キャリア。誰かが何とかしてくれるといった、おごりと甘えの集団であった。

 

JALが更生手続き開始を申し立てた際、いくら稲盛氏が乗り込んだとしても、再生は難しいと予想する向きもたくさんいた。実は、私の予想も同じ。

 

ところが、JALは鮮やかにV字回復した。しかも経営破たんからわずか2年8ヶ月で、東京証券取引所に再上場まで果たしてしまった。

なぜか。その理由が知りたくて「JAL再生」を読んだ。

 

稲盛氏が再生に活用した2本柱は、部門別採算制度と意識改革。

部門別採算制度は、京セラにおける「アメーバ経営」と呼ばれる精緻な部門別採算管理をベースとした経営手法であるが、JAL再生に活用するためには互換性の問題がある。

 

つまり、JALの「業種・業態」と合致するかどうか、そしてなによりも大切なのは、運営していく「人」との互換性が保たれるかどうかである。

いくら制度やルールを変えても「人」の意識が変わらなければ、砂上の楼閣と同じである。

したがって、幹部はもちろん、社員ひとりひとりの意識改革の可否が、JAL再生の大きなカギであった。

 

コーポレートスローガンは会社経営の拠りどころである。価値観や行動規範を全社員が共有し同じベクトルを持つことでひとりひとりが最大限の力を発揮する。

JALは、意識改革に成功した。JALフィロソフィーと呼ばれるコーポレートスローガンは、JALをDNAごと様変わりさせ、会社の大きな基礎となり、部門別採算制度が強力に稼働した。

 

奇跡的とも思える鮮やかなJAL再生の答えは見つかった。

「企業は人なり」

 

ウルトラマン・稲盛和夫氏の経営哲学・人生哲学の神髄を見た。

 

  

 
  林 正寛  
     
     

株式会社アスキット・プラス

 

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