最低。

最低。

  2013/04/09  
     
 

清涼飲料水の自動販売機が、2台3台と連なって設置されているのをよく見かける。どうして分散させず、同じ場所にひとかたまりにして置くのか。

 

その方が売り上げがアップするからである。

何故か。消費者側の「取引コスト」(時間と労力など)の節約になるからである。

 

つまり、自動販売機が複数台固まって設置されていると、行ってみて目当てのものが売り切れだったり、欲しいと思えるものが見つからなかったりするリスクが軽減できるし、他の商品と比較するなどの情報収集が容易になるからである。

 

同じような場所に同じ業態の店が立地してライバル同士が競合しているのと同じ理屈で、人が集まれば市場が形成され、取引が増え売り上げがアップするのと同じ仕組みである。

 

秋葉原などは、街そのものが大きな市場として集約している。

広島のお好み村、神戸や横浜の中華街もその例といえる。

 

消費者にとっては、同じ商品であれば安い方がいいに決まっているので、最初は安い商品が売れていくが、そうすると、高い商品の方は売れ残らないようにするために値下げせざるをえなくなり、結局、価格は等しくなる。

 

これを経済学用語で「裁定」という。

 

ただ、現実には同じ商品であっても、「取引コスト」が価格に織り込まれるので、同じ価格になることは少ないし、消費者側も、それを承知で購入する。

 

例えば、スーパーの前には何台もの清涼飲料水の自動販売機が置かれているが、スーパーで買えば98円なのにレジに並んで買うのが面倒なのでつい、自動販売機の120円のお茶を買ってしまう。

花見にビールを持参すれば安く済むが、重たいし、温まるとおいしくないので、屋台で500円出して買ってしまう。

新作映画やDVDをいち早く見たいので、安くレンタルできる前に見に行ったり、買ったりしてしまうなど、誰もが経験があると思う。

 

 

ちなみに、まっすぐ家に帰ればいいのに、つい、ちょっと一杯のつもりで飲んで、最後はベロベロになるまで飲んでしまう。

 

これを世間では「最低」という…。

 

  

 
  林 正寛  
     
     

株式会社アスキット・プラス

 

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