花火。

花火。

  2013/08/05  
     
 

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花火はなぜこうも人の心を惹き付けるのか。

どこの国の誰が発明したのだろうか。歴史は古いのだろうか。

花火が夏の風物詩になっている国は日本以外にもあるのだろうか。

 

もしも花火というものがなければ、夏の景色もずいぶんと違うものになっていたのだろう。

とにかく一度上がりだすと目が離せなくなる。

最近はもの凄く巨大な打ち上げ花火や芸術的なものも登場し、益々、興味を惹く。

 

鎮魂、奉納、歓喜、思い出、哀切。

いろんな思いが花火には交差する。

 

綺麗な色、姿かたち、大きさだろうか。

それが、一瞬にして消えてなくなるからだろうか。

どこか哀愁を感じる音だろうか。

 

二度と会えなくなった人の顔が思い出され、

― そちらからも見えますか、聞こえますか。

 

ひと夏の思い出も花火のようにはかなく、夢のように淡い。

夏は駆け足で通り過ぎる。

夏よ終わるなと、最後の力を振り絞り蝉が鳴く。

 

 
  林 正寛  
     
     

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