今日の風。
2013/08/29 | ||
新卒で入社した第一次サラリーマン時代のメンバー14名で久しぶりに集まった。 20年近く会っていない人もいるので、太っただの、痩せただの、子供が大きくなっただのと他愛ない。
年代的には、私が一番若い世代であるが、昭和50年代後半からバブル期、そしてバブル崩壊、金融不安へと続く混沌とした時代の中心にいた最強のメンバーたちであり、このメンバーで戦ってきたわけである。
バブルとはいえ、取引先との条件闘争、強調融資先との協議、社内稟議手続きなど、案件ごとのハードルは高く、様々な思惑も絡み合い且つ、スピードも求められていたので、毎日ヘトヘトになるまで働いた。 しかも当時はまだ、ワープロが各部署に1台ある程度であり、稟議の大半は「手書き」という時代だった。
その後は、バブルの崩壊、会社の倒産、警察・検察の強制捜査など、事後処理はさらに辛酸を嘗めることになる。
会社は大きな経済事件として国会やマスコミに連日叩かれた。 世の中の風向きが変われば、会社のためにした行為も反対の目が出てしまい、ある日突然、被疑者に叩き落される。
― これが世間か。凄まじい逆風だな。いつ止むのだろうか。
予測不能な毎日に、「自分の身に何があっても決して心配するな」と家人にだけは伝えていた。
あの頃、こうやって和やかな風に吹かれながら酒を飲みかわす時代がくることなど思いもよらなかった。
辛いことも切ないことも時が解決してくれる。 そして、こういうことの繰り返しが人生なのだろう。
久しぶりに酔った。
今日の風は心地よかったナ。
|
||
林 正寛 | ||