ど根性。

ど根性。

  2014/08/19  
     
 

サラリーマン時代に一時、選手兼任監督時代があり、当時、月間の残業時間が100時間を超えていたことがある。

 

休日出勤もしていたので、おそらく月の労働時間は300時間を超えていたと思う。

 

まだ、30代だったし体力には自信はあったけれど、疲れが度を過ぎてくると反対に、夜、ぐっすり眠ることができなり、相当苦しかったことを覚えている。

 

この私の経験と比較することが正しいのかどうかはわからないが、牛丼チェーン「すき家」の月500時間の過重労働は、明らかに尋常ではない。

 

しかも500時間を経験した幹部が、部下の働きぶりを「レベルが低い」、「自分たちの方がしんどかったという自負がある」とアホな発言をしているところが、救いようのない失望感を覚える。

 

一体、なんのガマン比べをしているというのか。

過重労働をひとつの「美徳」のようにとらえ、従業員に同じ「美徳」を強要するなんて、時代錯誤というか、幹部のレベルの方がよほど低い。

 

ただ、日本人には、そうした根性物語を称賛する傾向があることは、残念ながら否めない。

 

 

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たとえば高校野球。

 

エースがひとり、連投に次ぐ連投。決勝戦では最後は力尽きて暴騰してしまい、無念のサヨナラ負け。こんなシナリオが大好きである。

 

しかし、バッティング技術が向上していっているバッターに対し、ピッチャーは相変わらず生身である。

生身が技術を抑えるためにはより多くの球種が必要となり、その分、肘や肩の負担が増大する。

 

だから、せっかくプロに入っても、肘や肩の故障で活躍できないまま退いていく甲子園のヒーローは少なくない。

 

今夏の高校野球を見ていると、ひとりに負担が集中しないよう、複数のピッチャーでの継投策が目立つ。これも時代の流れである。

 

 

ビジネスの世界でも同じことが言える。

 

私が300時間を経験したのは15年前。グーグルが設立されてまだ1年経つか経たないかのころであり、情報量は今の比ではない。

 

時代が大きく変遷して中で、昔と同じスタイル、同じ働き方を求めれば、生身の人間は間違いなく故障する。目に見えにくいが、生身が受けるストレスの量・質とも、今は昔の比ではないのだろう。

 

 

時代は刻々と変わるのだから、順応していかないと。

 

 

 

そういえば昔、「ど根性」なんて言葉があったナ~。

 

 

 
  林 正寛  
     
     

株式会社アスキット・プラス

 

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