幸せは歩いてこない。
2014/08/26 | ||
アメリカ・ハワイのマウナケア山頂には、自然科学研究機構国立天文台ハワイ観測所が運用する望遠鏡すばるがある。
光を集める鏡の有効口径は8.2メートルという大きさであり、能動光学は、前人未到の高い鏡面制度を維持する。
そのすばるが、宇宙で最初に生まれた星の痕跡を発見した。
この星は、地球からくじら座の方向に1000光年ほどの距離にあり、重さは太陽の半分程度で、宇宙が誕生してから2億~3億年後に生まれた。
巨大な星が最期を迎える超新星爆発によって放出された鉄を多く含み、宇宙誕生後に最初にできた星によって生まれたとみられる。
― 何のことやら、よくわからない…。
数値が普段の生活レベルからあまりにもかけ離れすぎているため、まったくピンとこない。
凄い発見なのだろうが、それさえも実感がない。
国立天文台や甲南大、米ノートルダム大などの研究チームによるものであるが、こんなことを研究している博士や研究者たちがいることに、ちょっと驚く。
私のようなデキの悪い人間は、この研究に膨大な時間と莫大なお金をかける必要性が理解できない。人類の幸せに寄与するのだろうか…。
「末は博士か大臣か」
こんなことはを今はもう、言う人はいないだろう。
博士も今は過剰気味で、就職先を探すのさえ困難な状況だと以前、新聞に書いてあった。 STAP細胞問題もイメージダウンになるかもしれない。
政治家なんてのは、もってのほかで、日本国の運営にとって重要な役割であるにもかかわらず、子どもに政治家だけにはなって欲しくないと思っている親は大勢いるだろう。不思議な商売というほかない。
男の子に人気なのは、依然として、野球選手やサッカー選手である。
しかし、そこをめざして夢が叶う人はほんのわずかでしかない。
叶わなかったあとの人生の過ごし方について、世の中は甘受してはくれない。
何になることが、どんな職業に就くことが幸せなのか、どう人生を過ごせば満足を得られるのか。こればっかりは、すばるをのぞいたってわかりはしない。
第一、幸せには、数値で測れるような基準がない。
ただ、幸せは歩いてこないことは、私も50年生きてきてわかった。
だから、歩いてゆかなきゃいけないようだ。
千里の道も一歩から。
このことは、今も昔も変わりがない。
すばるをのぞいたってわかりはしない。
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林 正寛 | ||