ゼロ。

ゼロ。

  2014/08/06  
     
 

ビール売場でたまに迷う。

 

嫌でも目に入る「ゼロ」の文字。

 

― やっぱり体のことを考えてこっちにしようかナ…。

 

 

「糖質ゼロ」、「プリン体ゼロ」。

 

ゼロに美味さを求めはしないが、ビールの精進料理版のようなもので、味気ない世の中がさらに味気なく感じられて泣けてくる。

 

それでも、それと引き換えに健康が維持できるのであればといったところだろうか。

 

健康志向を背景に「ゼロ」の市場が拡大している。

 

 

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しかしだ。プリン体を含むビールの摂取が尿酸値を高めて痛風につながるといわれているが、元々、ビールにプリン体はそう多く含まれていない。

 

尿酸値は、アルコールの作用がプリン体に加わるから上昇するのであって、元凶はアルコールである。

 

 

プリン体は、レバーや魚類に多く含まれ、イカ、エビ、タコ、貝類はさらに多い。

 

ニボシやカツオブシ、干し椎茸は相当多い。健康食品といわれるローヤルゼリーやクロレラは爆発的に多い。

 

つまり、糖質やプリン体が「ゼロ」であったとしても、アルコール飲料の「ゼロ」を飲みながらプリン体を多く含む食品を食べていれば効果は期待できない(と思う)し、理屈から言えば、アルコールをゼロにしなければ意味がない。

 

 

「糖質」も同じようなもので、「ゼロ」を飲みながら炭水化物をせっせと摂取してりゃあ同じことである(たぶん…)。

 

 

何ひとつできない私がいうのも何なんだが、つまりは、適度に飲み、適度にバランスよく食べ、適度に運動をしていれば、なにも恐れることはない。堂々と「本物のビール」を飲めばイイ。

 

こう見えても、今年の健康診断も事なきを得ている(こんなこと言ってられるのも、今のうちだと思うけど…)。

 

 

「あなたのカラダのことを思ってゼロにしました」なんていう言葉に惑わされてはいけない。

 

「一日懸命に働いて帰ってきて、ゼロとはなんだ! せめてビールくらい本物を飲ませろ」と、ビシッと言ってやれ。

 

その代わり、「あなたの稼ぎが悪いからよ」なんてギャクギレされて、お小遣いが「ゼロ」になっても責任は持ちませんが…。

 

 

 
  林 正寛  
     
     

株式会社アスキット・プラス

 

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