空、雲、星、月。
2014/08/22 | ||
何日か前だったか、Facebookにいろんな人がスーパームーンの画像を投稿していた。
私は、空とか海とか山とか、まったく興味がないので素通りしてしまうが、日ごろから空の画像を投稿する人が多いのに驚かされる。
私にはその良さがどうにもわからない。
人は、宇宙ほど壮大ではないにしろ、子どもの頃からずーっと身近な存在で、それでいて手の届かない、そして、朝、昼、晩と表情を変える、空とそこに浮かぶ雲、または星や月に対する特別な思いや感情を抱くのだろうか。
星や月は、物語や絵本などによく登場する。
それはときに、人間が追い求める夢や希望を意味し、または欲望であったりする。
夢を満たせと星に願い、心を照らせと月に祈る。
星と月は、人にとって失いたくない大切なものの象徴なのかもしれない。
しかし、そのくせ夜が明けて朝になり、星や月が見えなくなると、その存在をすっかり忘れてしまう。
どこか、歓楽街のネオンに似ている…。
人が抱く夢や希望も案外、その程度のものかもしれないなどと、わかったようなことをいうのはシラケすぎだろうか。
「夢は夜ひらく」のだ。
現実の空と雲は、時に人に対して残忍で冷酷だ。
多くの雨を降らせ、涙に変える。
一体、どれだけの人の命を奪えば気がすむというのか。
なぜ、未来のある幼い子どもたちや前途洋々の青年、心優しいお年寄りが犠牲にならなければならないのか。
それでも人はこれからも、不条理な現実と同居しながら、この空に美しさを求め、この空の彼方に輝かしい未来があると信じ、そして、亡くした人の面影をしのび、空を見上げていくのだろう。
空、雲、星、月。
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林 正寛 | ||