個性。
2013/07/02 | ||
長女が最初に気が付いた。 「顔の洗い方、おかしくない?」
長男のことである。
― ホンマや。たしかに変だ。どうしてこうなったものか・・・。
顔を洗う時って、フツー、手のひらで顔を撫でるように上下させたり、円を描くようにして動かす。 それが長男の場合、手は動かない。手に乗せた「顔」が上下左右、そして時に回る。
― フツーに戻せるだろうか・・・。しかし、オモシロイ。
1987年にオープンした東京・銀座に高級ホテル「ホテル西洋銀座」は、実に個性的なホテルであったが、5月31日に26年の歴史に幕を閉じた。 セゾングループの旗艦ホテルとして開業した「ホテル西洋銀座」は、バブル時代の象徴としてまばゆく輝き、マスコミは最新のラグジュアリーと謳い上げた。 コンシェルジュ・サービスを日本で初めて導入したホテルでもあり、客室は77室と少数にとどめる代わりに高品質のサービスが重視された。 1988年時点の宿泊料は平均1泊62万円で、当時日本の最高級ホテルに名を連ねていた帝国ホテルとホテルオークラの平均25万円を大幅に上回っていた。
「ラマダホテル大阪」の前身は「東洋ホテル」で大阪万博開催の前年の1969年にオープンした。 こちらは客室数547室の大型ホテルであるが、リーガロイヤルホテル、ホテルプラザ(99年閉館)と共に、大阪の名門ホテル御三家として長年、君臨してきた。 都会にありながらもレストランからは一面に緑が配置されるなど、ロケーションには癒しも感じられ、街と一体化した佇まいは、閉館した後の「次の姿」を想像する手立てを失うほどである。今年12月末での閉館が決定した。
日本の成長を支えてきた個性派のホテルが外資系の大型高層ホテルに押されて姿を消していく。 寂しい限りではあるが、これも時代の流れか・・・。
今月で12歳になる長男。 皆と同じでは埋もれるが、違うだけでは人の心はつかめない。頑な過ぎては変化についていけない。 状況の変化にも自在に対応できる「しなやかな自分流スタイル」を身に着けて成長して欲しい。 その「独特の洗顔スタイル」で顔を洗うように個性も磨くんだな。
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林 正寛 | ||