夫婦50割引き。
2013/07/12 | ||
日本マクドナルドの6月の既存店売上高が前年同月比でプラスになった。 14ヶ月ぶりにプラスになった5月に続き2か月連続である。 500円前後の高価格商品が目玉となって客単価も押し上げている。 7月6日には、一日限定で販売した1000円の商品も売り切った。
消費者はやや節約疲れ気味である。 毎日、節約かつ節電で、右も左も「低価格商品」というラインナップに飽きがきているのも確かである。 そこへ高級バーガーを「一日限定」でぶつけた。この希少性が最大のスパイスとなって財布の紐が緩んだのは間違いない。
原田社長は、「客単価を上げる戦略でもメディア戦略でもない」と説明しているが、今回のモニタリング結果は、今後のマクドナルドの価格戦略の試金石になるのだろう。
今回のミソは「一日限定」ある。 ターゲットを絞った販売手法を取ることで商品の希少性価値を高め消費を誘導する効果を狙うとともに、「目玉」を作ることで他の商品への相乗効果、つまり商品全体の消費を喚起させる(底上げする)効果を狙うのである。
最近は、こういったターゲットを絞った販売方法をよく見かける。 「40代、50代の味方。おとなの自動車保険」、「60歳から入れる保険」、「10個限定福袋」、「20食限定コース」、「40代のうちにやっておきたいこと」、「30代からの仕事術」など、保険や食事のメニュー、書籍のタイトルなど、いろんなところで活用されている。
それほど興味がないものであっても、「自分のためのもの」のような気がして、または、早く食べないと損をしてしまう気がして、心がひかれる。
イオンシネマ(旧ワーナー・マイカル・シネマズ)が「夫婦50割引」というシルバー優待サービスを行っている。 夫婦のどちらかが50歳以上であれば 2人2000円で映画を鑑賞することができる。 一般の料金が1人1800円なので非常に格安な割引サービスであるが、50にして「シルバー」は言い過ぎだろう。
コンセプトは、「たまには夫婦で映画を観賞すれば二人だけの新鮮な会話が生まれるはず。若いときとは一味違った、落ち着いたデートを楽しんでみましょう」
余計なお世話だ・・・。
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林 正寛 | ||