立ち止まるんじゃない。
2014/10/23 | ||
電車がホームに入り、ドアが開いたので降りようとすると、前の人が立ち止ったまま進まない。 前の人はスマホを見入っていたのだ。
ほんの一瞬のことなんだが、こちらも動きを止めなければならず、一瞬、間が空く。
エレベーターのドアが開いたので降りようとすると、前の人が進まない。やはり、前の人はスマホを見入っていたので、一瞬、間が空く。
ATMで並んでいると列が動き出したので詰めようとすると、前の人が進まず、一瞬、間が空く。これもスマホが原因。
電車に乗車する際、降りる人がすべて降りたことを確認し、では、と乗ろうとすると、慌てて席を立って降りてくる人がいて、ぶつかりそうになることがある。
スマホに夢中になり、降りるタイミングを明らかに外している。
スマホを見ながら歩いている人が前からこちらに向かってくることがある。相手は下を見ていて目が合わないので、どうよければいいのか戸惑う。
これまでスムーズに動いていたものが動かない。
些細なことであるが、結構、うっとうしい。
この前、横断歩道の信号が青になったので渡ろうとすると、前にいたオバチャンがスマホに夢中になっていて動かない。
まさか、「ホレッ」と背中を押すわけにもいかず、仕方がないので、右に寄ってすり抜けようとしたら、後ろからきた自転車のハンドルに右肘が当たった。
「なにしとんねん、ボケ!」
自転車に乗ったオッチャンに怒鳴られた。
― なんでやねん…。
自転車を追いかけて行って後ろからライダーキックをお見舞いしてやろうかと思ったが、会社の近くで騒ぎを起こしたくないし、そもそも、日ごろの運動不足と暴飲暴食のため、このところ走ると足がもつれるので、仕方なく諦めた。
それにしても、ものすごく損した気分になる。
立ち止まるんじゃない。 下を向くな。 前を見ろ。
青臭い青春ドラマみたいだけど、いい加減、スマホから目を離さなければ、本当に大切なものを見失うような気がするけどナ…。
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林 正寛 | ||